韓経:ラングレー研究所宇宙放射線グループ長「有人火星探査、韓国との協力期待」

韓経:ラングレー研究所宇宙放射線グループ長「有人火星探査、韓国との協力期待」

2016年05月03日15時43分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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ラングレー研究所のジョン・ノバリー宇宙放射線グループ長
  「有人火星探査で宇宙放射線は宇宙飛行士に致命的となる。火星探査の成功と失敗を分ける最も大きな難題の一つだ」。

  米国航空宇宙局(NASA)傘下ラングレー研究所のジョン・ノバリー宇宙放射線グループ長は先月28日、ソウル孔陵洞(コンヌンドン)韓国原子力医学院で開かれた宇宙放射線セミナーの前、記者に対し「米国の有人火星探査プロジェクトで韓国との協力を期待する」と述べ、このように語った。先月27日に開かれた第2回韓米宇宙協力会議に出席するために訪韓したノバリー氏は、火星探査プロジェクトで宇宙放射線が人体に及ぼす影響を研究している。

  地球を囲むヴァン・アレン帯や太陽、遠い銀河から注がれる宇宙放射線は宇宙で長期間活動する宇宙飛行士に致命的な影響を及ぼす。地上で露出する放射線量は年間3-4ミリシーベルト(mSv)だが、地上410キロで地球の周囲を回る国際宇宙ステーション(ISS)では年間100ミリシーベルトに増える。

  ノバリー氏は「現在まで月探査やISSに参加した宇宙飛行士ががんになったり健康が悪化した事例はないが、往復3年かかると予想される火星探査で宇宙飛行士の安全を保障する根拠を確保できていない」と述べた。

  今まで50代の男性が最大350日、30代の女性が200日間、ISSに滞在したのがすべてだ。ノバリー氏は「火星探査の過程では1000ミリシーベルト以上の放射線に露出すると推定される」とし「この領域は依然として未知の研究対象」と説明した。数百人の専門家が宇宙放射線を研究している理由だ。

  宇宙放射線研究は医学研究にも活用される。ノバリー氏は「がん細胞治療などに活用される重粒子は宇宙放射線より遅くてエネルギーが低い」とし「宇宙放射線研究を通じて粒子治療の新たなきっかけをつかむことができる」と話した。

  韓国はNASAとの協力を通じて有人宇宙開発に必要な専門家を確保することを推進している。最初の協力として今年6月に開かれるNASA宇宙放射線夏学校に原子力医学院所属の医師1人が派遣される。ノバリー氏は「米国は火星探査に必要ないくつかの技術を国際協力を通じて確保している」とし「韓国との協力が可能」と述べた。
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