今回は、
以前紹介したシザリガーを主軸においた、対面構築を紹介します。そもそも対面構築とはなんぞや?という方もおられるかも知れませんので、簡単に説明するとタイマン性能の高いポケモンを集めて極力交代せずに戦うパーティです。第五世代でのテンプレはボルトラティハッサムガッサカイリュースイクンみたいな感じで、他にはマンムーやローブも入ってきますが基本的に汎用性が高く止まりにくい、しかも強力な先制技を備えています。詳しくはwiki等を参照ください。
○対面構築に至ったわけ
シザリガーを極力選出して活躍させたいと考えたときに、最も気になるのが繰り出しにくさです。タスキを温存させるには後攻交代技か死に出しが基本になってきますが、ハッサムをいれるとパーティが遅くなってしまったり両者の補完がさほど良くないことから、サイクル戦に不向きだと判断しました。交代しないことで、もっといえば対面構築として組むことで得られるメリットがいくつかあります。
・
がむしゃらアクジェでほぼ確実に一対一交換を決める
・はたきおとすで強化アイテムを奪い、後続の負担を減らす
・火力の高い先制技(アクジェ)で、狩り逃した敵を仕留める
などです。組み始めた当初、同時にリザXも使いたいと考えていて、
はたきおとすで強化アイテムを落として相手の火力を落とし、積みの起点になるのではと思いついた背景もあります。
○パーティメンバー
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◎各メンバー紹介
○シザリガー
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性格:いじっぱり 努力値:H4A252S252 持ち物:気合いのタスキ 特性:適応力
実数値:H139A189B105C*D75S107
技:・クラブハンマー ・はたきおとす
・がむしゃら ・アクアジェット
以前紹介しましたので詳しい説明は不要かと思います。パーティ内では非常に重要な役割を持っていて、全体的に刺さっていれば先発に出してはたきおとす、クラハンとアクジェでごり押しして、二匹目にはがむしゃらをぶつけます。面白いのが、たとえばマリルリが二匹目に出てきて死に掛けのシザリガーと対面したとき、なんと腹太鼓を選ぶんですね。他にもギャラドスやカイリューが起点にしようと図ることが多々ありました。この場面で仮にアクジェを選んでしまうと、
ちょっとでもダメージを与えるという浅はかで短絡的な選択をとると、まんまと相手の思う壺です。この現象から、シザリガーのがむしゃらは知名度が低いのではと感じました。レーティングでは非常に大切なことだと思います、
汎用性を失わず意外性のあるわからん殺しをパーティの要所要所に盛り込んで、勝ち筋を増やしましょう。先ほど先発に起用しやすいといいましたが、
相手のパーティにギルガルドがいた場合は、後の展開で役に立つので後続として温存していてほうがいいです。主軸といって申し分ない、強力なエースでした。
○メガリザードンX
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性格:いじっぱり 努力値:H172A124S212 持ち物:メガストーン 特性:硬いツメ
実数値:H175A182B131C*D105S147(メガリザードン時)
技:・フレアドライブ ・逆燐
・竜の舞 ・瓦割り
配分内容:H……16n-1、≠2n(四倍ステロ二回耐え) A……余り
S……最速ギャラドス抜き(最速81族)
シザリガーの苦手なナットレイやハッサム他を処理し、パーティ内では積みエースの役割を持っている。
エーフィの起点作りから積んで、なるべく瓦割りでフレドラ・逆鱗を回避しながら突破します。フレドラをバンバン撃つと体力が無くなり相手の先制技圏内に入ってしまうことや、逆鱗でロックされ後ろにいそうなギルガルドやフェアリーに安全に処理されてしまい、せっかく積んだのに期待していたよりも功績をあげてくれません。サブウエポンは基本的に瓦割りか地震ですが、自分は瓦割を選びました。
シザリガーやリザ自身が誘うロトム、バンギラスに刺さるためです。その代償としてマリルリで止まってしまいますが、バンギラスの方がどちらかといえば厄介なので、後続にポリ2かギルガルドを用意しておけば解決します。使ったのは初めてではないですが、やはり
炎/ドラゴンの攻撃範囲はとても広いですね。使い方がガブリアスと少し似ていて、炎技(地面技)とドラゴン技の組み合わせは優秀だが実際は
逆鱗ロックで行動を制限される点で、隙を突かれやすいといえます。なるべく鋼を処理してから逆鱗を撃つようにしたいです、そのためにリスクのないサブウエポンが必要なんですね。
○ローブシン
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性格:いじっぱり 努力値:H212A236D60 持ち物:突撃チョッキ 特性:根性
実数値:H207A209B115C*D93S65
技:・ドレインパンチ ・冷凍パンチ
・マッハパンチ ・雷パンチ
配分内容:H……16n-1 A……11n D……余り
最近やや流行りのチョッキローブシンです。対面構築ということは時として本来苦手で誘いやすい相手とも戦わなければなりませんが、ローブシンにとってはそれが特殊アタッカー全般に当たります。そこで特殊耐久を簡単に補えて努力値の節約にもなる、突撃チョッキが最適だと考えました。特性は三色パンチのうち二色も入っているので力づくにしたいところですが、
特殊アタッカーに多い水・電気の火傷(熱湯)や麻痺をひきやすいため根性にしました。ただ、現実的には
力づくで火力が常時高ければ、という場面は少なからずあったため、一考の余地があると感じました。冷凍パンチはカイリューやガブに、雷パンチはギャラドスやスイクン用に搭載しています。冷凍パンチがなければ今流行の弱保カイリューを倒せないため欠かせませんが、
雷パンチの技スペははたきおとすの方が良かったかもしれません。根性のせいもありますが、あまり火力がなく、ギルガルドで止まってしまうためです。そうなるとシザリガーと役割が被ってしまいそうですが、対面構築なのでそれも悪くないのでしょうか。最後まで悩んでいましたが、雷パンチに助けられるときもあったので、更に言えばBW2限定の教え技なので消すのは勿体無いと判断し変更はしませんでした。
○エーフィ
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性格:おくびょう 努力値:H252C4S252 持ち物:光の粘土 特性:マジックミラー
実数値:H172A*B80C151D115S178
技:・サイコキネシス ・リフレクター
・あくび ・光の壁
このパーティ内で最も異彩を放っているのではないでしょうか。役割としては、先発に出して壁貼り、欠伸→退場で、リザードンに繋ぎます。またエーフィにしかできない、
特性マジックミラーによる変化技の反射で、催眠対策やステロ、ねばねばネット対策になります。リザードン入り構築はステロを誘いやすいのでとても有効です。またエスパーの打点がどうしても欲しい事情があって、リザXを採用するとタイプとしては飛行として入っているのに飛行の打点を持たず、結果格闘に対する打点がなくなりケアが薄くなってしまうのです。地面の一貫性が出てしまったのも、同じ理由です。リザX入りの構築はとても難しく、飛行ポケをもう一体入れてしまうとリザXとばれやすいので、メガシンカターンにフェアリー技を撃たれてしまいます。マリルリなんかは、初ターンは大抵アクジェを打ってきます、仮にメガリザードンYだった場合ソラビで落とされてしまうので、少しでも削っておきたい気持ちがあるんでしょうね。
メガシンカターンのあやふやな感じも含めリザードンの強さなので、大事にしたいところです。
○ギルガルド
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性格:冷静 努力値:H252A4C252 持ち物:弱点保険 特性:バトルスイッチ
実数値:H167A171B170C222D170S58(ブレード、シールド混合)(最遅)
技:・シャドーボール ・聖なる剣
・キングシールド ・影撃ち
タイマン性能が高いポケモンを探していて、真っ先にギルガルドが思い浮かびました。
バトルスイッチによる実質的な数値の高さや一貫性の高いゴースト技、そして先制技、
弱点の少なさとキングシールドによる物理ポケへの圧力など、優秀な点を挙げ始めたら枚挙に暇がありません、環境のトップメタなだけあって強いです。逆に、ギルガルドが誘う天敵は、悪タイプ全般ですね。ゲッコウガやサザンドラはシザリガーのメインウエポンを両方半減するため、ローブシンかポリ2に任せることになります。じゃあ
なぜ聖なる剣を持たせているのか?となるわけですが、これはほぼ
メガガルーラピンポイントです。メガガルーラはギルガルドと対面したとき基本的に地震を撃つので
弱点保険発動を前提に考えると、耐久無振りガルーラに対して聖なる剣が
ダメージ: 192~228 割合: 106.6%~126.6%
このくらい入ります。仮にHに割いていればリザードンで上から瓦割りを打てるので問題はありません。対してラスターカノンは
ダメージ: 168~198 割合: 93.3%~110% 回数: 乱数1発 (62.5%)
確定で落とすことができません。たとえラスターカノンを失ってフェアリーに弱点を突けなくなるとしても、このパーティではメガガルーラの方が圧倒的に重く、またシャドーボールでも十分フェアリーに通るので、さほど問題はありません。また格闘技を仕込み、かつシザリガーのはたきおとすによって、輝石ポケモンを楽に倒すことができます。といっても、ラッキーやポリは個体数が少ないのでなんともいえませんが。
○ポリゴン2
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性格:穏やか 努力値:H244B132C124D4S4 持ち物:進化の輝石 特性:トレース
実数値:H191A*B127C141D127S81
技:・トライアタック ・自己再生
・冷凍ビーム ・十万ボルト
配分内容:H……16n-1 B……A177メガガルーラの親子愛A2ランクアップ恩返し親子愛込みで耐え
C……無振りガブリアス冷凍ビームで確定一発
D……C182眼鏡ラティオスの流星群二連耐え、C187メガライボルトの十万ボルト3耐え
普通のポリゴン2と少し違う点は、
トライアタックを装備している点です。トライアタックによってタイプ一致で一貫性の強い武器ができ、色々と便利です。例えば弱保カイリューと対面したとき、冷凍ビームを二発撃つと弱点保険発動、更に竜舞を積まれ起点にされてしまいますが、一発目にトライアタックを撃ちこむことで弱点保険を発動させず、安定して狩れます。放電を撃ってもさほど火力は出ず、また三色の特殊技はXYから威力が若干下がったので、より起点にされやすくなってしまいました。
放電にしているのは、十万ボルトと電磁波を圧縮した技スペースの節約です。トゲキッスの特性・天の恵みをトレースでコピーしたときは、6割の確率で麻痺が引けるのでおいしいです。とはいえ、トレースは、時に役に立つことはありますが、基本的には頼りにならない不安定なものです。いっそダウンロードイカサマ型にしたほうが、機能するのかもしれません。氷・電気の打点はローブシンと被っていて動きが似ていますが、それぞれ誘う敵が全く違い、どちらか選出しづらくてももう片方を出せば氷・電気の打点が入りドラゴンやファイアローを見れるので安心できます。ポリゴン2の仕事は、このパーティ全体で重い
マリルリ・ファイアローの処理です。裏にいそうなガルーラが怖いですが、そんなときこそトライアタックが活きてきます。
◎成績
最高レートは1817で、およそ1700台をうろうろするくらいでした。作りたての状態では1600が限界のように思えましたが、技を変えてみたり選出パターンを考えたり、誘う敵を把握したり、そんな具合に改良を重ねる中で、パーティの性質が分かってきました。1800台に入ると
ノイコウ・ノイクンの数が一気に増え、技PP枯らしに弱いこの構築では、ほぼ打つ手がありませんでした。このパーティの穴は耐久型です。それも普通の、ヤドランのような単純に数値受けするポケモンではなくて、小さくなる身代わり戦法のライドバトン・天然ピクシーや前述した技枯らしのみがまもなど、一度はまると取り返しがつかない部類のポケモンには、成す術がありません。対面構築のわりにチョッキローブやポリ2、エーフィの三匹は、火力が低いため、結果として起点にされたり突破力にいまひとつ欠けてしまいました。反省点としてはそのへんではないかと思います。
◎まとめ
とても長い記事となってしまいましたが、もう少し語りたい気持ちもあります。自分はサイクルを中心とした役割理論に基づくパーティ構築がメインで、今回のような汎用理論・対面構築を意識した作りにしたことはほとんどありませんでした。対面構築は交代を想定しないので、サイクル戦での交代読み交代や交代読み居座りなど、読み、つまり運が介入する隙がない分、その場面での最善策が明らかで安定しています。レートでなくても上を目指すなら全般的に言えることですが、構築段階で読みスキルをなるべく必要としないよう配慮するのが大切なのです。自分はこれからレート向きのガチパを組む予定ですが、息抜きにマイナーポケの考察もしていきたいと思っています。リクエストがありましたら遠慮なくお願いします。他にも、ご意見ご質問などお待ちしております!
◎バトルビデオ
「がむしゃらの有用性」選出:ポリ2シザリザ
WY9G-WWWW-WWW5-ADMJ
「リザYに見せかける構築の強み」選出:シザローブリザ
R4UW-WWWW-WWW5-AEWC
「ラスカノだった場合のメガガルの処理」選出:ローブギルジザ
9TWW-WWWW-WWW5-AEBY
「てんめぐ放電」選出:ギルポリ2ローブ
MXMW-WWWW-WWW5-AEB5
よければご覧ください。
テーマ : ポケットモンスター X・Y
ジャンル : ゲーム