闇金の手口や種類は?返済できないとどうなる?
お金が必要だけどなかなかキャッシングの審査に通らないとなると、どうしても中小のあまり知られていないキャッシング業者を検討することになってしまいます。しかしそういった業者の中には、いわゆる「闇金」と呼ばれる悪徳業者が潜んでいることを覚えておきましょう。
闇金といえば、法外な金利で貸し付ける金融業者というイメージがあるでしょうが、最近はもっと様々な手口を使った業者が増えてきています。ここでは闇金=違法業者、または法律スレスレの悪質な業者の種類と手口をご紹介します。
また、どうやって闇金業者を見分けるか、さらに闇金から借金してしまったらどうしたらよいのかを知っておきましょう。
闇金の種類と手口
違法な高金利でお金を貸す業者です。闇金の基本ともいえる、ある意味王道の手口です。
・紹介屋
割りと古くからある手口で、キャッシングの依頼に来たお客に対し「うちでは無理だけど口を利いて借りられるところを紹介します」という手口です。実際には、単に審査の通りそうな業者を紹介するだけで、裏で手を回したり口を利くようなこともしていません。
そのクセ手数料だけはしっかりと取るという悪質な業者です。さらに悪質なところになると、申し込みで入手したお客の個人情報を売ったりもします。私たちにしてみれば、直接審査の通る業者に行けば手数料など取られる必要もないのです。
・整理屋
「借金の整理を行う」という名目のもと、着手金などをかすめ取る業者です。本来、借金の任意整理は弁護士など資格を持った人でないとできません。
提携の弁護士の名義で実際に任意整理を行う場合もありますが、それも直接弁護士に依頼した方が安上がりな場合がほとんどです。そもそもこういった行為は弁護士法に違反しています。
・090金融
連絡先が携帯電話の番号しかない業者です。貸金業を行うには固定電話の登録が必須ですので、この時点ですでに違法業者であることが分かりますね。
事務所を持っていない場合も多いため、シッポを掴みにくいという難点もあります。藁をも掴む思いでこういった業者に駆け込む人もいますが、それならば任意整理や自己破産を進めた方がましです。
・チケット金融
後払いでチケットを買わせ、それを指定された金券ショップで売ることで現金を手にすることができる仕組みです。その後チケット代を支払うという方法です。一見するとただの売買ですが、実に巧妙に多額のお金を吸い上げられるようになっています。
例えば10万円のチケットを後払いで買います。それを金券ショップで8万円で売ります。その後(1週間後など期限が決められています)最初の店に10万円をチケット代として支払います。この場合、1週間で2万円の差額が発生しますよね。
これを利息に換算すると年率約1300%という恐ろしい利率になるのです。たいていはチケット金融業者と金券ショップがつながっています。貸金業法による規制が適用されないやっかいなタイプの闇金です。
・買取屋
「クレジットカードのキャッシング枠を現金化!」という謳い文句の業者です。クレジットカードのキャッシング枠で、業者の指定した商品を購入すると、それを現金で買い取ってくれるという方法です。
実際に商品を購入することもありますが、最近は買取屋専用の商品(実体のないようなもの)を購入させるケースが多くなっています。現金が手に入って有難いと思ってしまいますが、もちろん業者の取り分が大きく引かれているのです。
・自動車金融
自動車金融は車を担保にしてお金を借りる方法です。ちゃんとした業者ならば「担保あり融資」という立派な方法ですが、闇金の自動車金融は違います。担保ではなく自動車を売ることになります。
そして車自体はリースという形で乗り続けることになります。もちろんお金に困っているというところを突かれ、安い金額で買い叩かれることになるのです。中には合鍵だけ作って即お金を貸してくれるところも・・・。
そして次の日には「車だけ無くなっていた」という泥棒闇金も存在します。
・家具リース金融
家具を業者に売り、売った家具をリースするという形で支払いを続けます。契約上では「売買契約」と「リース契約」になるので、貸金業法の規制を受けないのです。
「現金を受取る」「月々支払う」という面ではキャッシングと同じですが、本当にリースが終わる日が来るかどうか・・・。それと同時に、家具の売買・リースという名目なので、家の中に業者が立ち入ることができます。
通常の貸金業では居住地に立ち入ることはできませんので、この点も業者側には大きなメリットになってしまうのです。
・パチンコ金融
実体は違法な貸し付けを行う闇金業者、090金融業者なのですが、宣伝の方法がパチンコ客に向けられていることからパチンコ金融と呼ばれるようになりました。
パチンコ屋の駐車場などに停めてある車にチラシなどを置いていくのです。パチンコ屋や店員と組んでいる業者も多いと噂されています。パチンコで損をした人を狙うと効率が良いのでしょう。
・年金担保金融
高齢者社会が進むにつれて増えてきた融資方法です。将来受け取る年金を担保としてお金を貸します。現在は法整備がされ、年金を担保に融資ができるのは銀行などを窓口にした公的機関のみです。それ以外は闇金と考えて良いでしょう。
必ず年金の入金のある通帳を抑えられますので、業者にとっては確実なカモとして狙われやすくなってしまいます。中には元金の返済を受け付けず、一生通帳を取り上げたままにする業者も・・・。高齢者をターゲットにした悪質な闇金ですね。
・カラ貸し
もはや貸し借りの契約も行わず、単に取り立てだけする犯罪業者です。ターゲットとされるのは、自分の借りている状況を把握できていない人で、裏でカモリストとして回されているという噂もあります。
見に覚えのない返済請求や、突然の返済方法の変更などを言い出されたら、しっかりと確認して自衛しましょう。
勝手に銀行口座などにお金を振り込み、後から返済と利息分を要求してきます。完全な犯罪業者ですので、支払いの義務などありませんので、決して相手の要求をのまないことです。
・名義貸し詐欺
「消費者金融でいくらの融資が受けられるか調査するアルバイト」などといった名目で募集されます。
実際には調査などではなく、融資されたお金のみを取られてお終いです。当然、消費者金融への返済は自分でしなければなりません。そんなアルバイト、ある訳がないのです。
・信用屋
キャッシングをする際に信用情報の状況が審査に影響するのはよく知られたことですよね。
そこを利用し「今の信用状況では融資は難しいが、信用を作るために◯◯万円振り込めば◯◯万円の融資が可能です」などと言われます。
そこで言われたとおりに◯◯万円振り込むと、そこでお終いです。それ以上の融資もありませんし、振り込んだお金が返ってくることもないのです。信用情報がお金で操作できる訳はありません。
・債権買取金融
カラ貸しの一種ですが、「どこどこの債権をうちで買い取ったからこちらに払え」と言ってくるものです。
金融業者では吸収や合併などで債権が売買されることも多いのですが、その際には必ず「譲渡通知」が契約した会社から送られてきます。冷静に確認した上で対応しましょう。
・キャッシュバック金融
買取屋やチケット金融がより巧妙になったもので、クレジットカードのキャッシング枠を現金化します。現時点では合法な商法なため、被害に遭う人も増えています。
わたしたちにとってメリットになることは一切ありませんし、カード会社への支払が滞った場合、「転売目的の購入の上、支払わない」として詐欺罪で告発されることもあります。
・キャンセル料金融
見に覚えのない契約を「申し込んだ」とされ、「キャンセルするならキャンセル料を振り込め」というものです。振り込み詐欺の亜流ですが、最近増えている手口です。
また、キャンセルするためにはキャンセル料の振り込みだけでなく、指定した時間の電話連などを押し付け、「連絡がなかったから新たな手数料が必要」などと更なる金額を要求してきたりもします。
闇金の手口は日々変化し、進化しています。悪徳業者は手を変え品を変えあなたを狙っているのです。
街金とは?
闇金についで怪しい存在に「街金」があります。特定の地域で貸金を行っている中小業者のことを街金と呼ばれることがあります。
街金の中には非常に優良な業者ももちろんあります。利用者の親身になってくれて、本当に困っている人に貸し付けをしてくれる中小業者もあるのです。大手業者ではないような温情を受けられるというメリットもあります。
しかしそれ以上に、悪質な業者もうようよとしている世界なのだということを覚えておきましょう。非常に判断が難しいところが、良い業者も悪い業者も最初のうちは「親切で親身になってくれる」というところでしょう。
社員や事務所は真っ当な業者に見えても、実体は・・・という悪質業者が多いのです。困っているところに付け込む・・・なんとも恐ろしいことです。中小業者からキャッシングするにはしっかりと下調べをすることをおすすめします。
闇金業者の見分け方!
では違法業者、悪徳業者、いわゆる「ヤミ金」といわれる業者を見分けるポイントを知っておきましょう。
・国や都道府県に登録していない
そもそも消費者金融業者として貸金業を行うためには、国や都道府県から営業許可を受けて登録をしている必要があります。つまり登録をしていない時点で立派な違法業者なのです。
登録の有無は登録番号で検索をかけて調べることができますので、自分の利用しようとしている業者の登録番号を確認しておきましょう。中にはてんでデタラメな登録番号を堂々と広告などに載せている業者もいるのです。
・違法な貸し付けを行う
登録しているからといって安心してはいられません。主に以下の2つを確認しましょう。
利息制限法では上限金利が定められています。
・元本10万円未満:上限金利年20%
・元本10万円以上100万円未満:上限金利年18%
・元本100万円以上:上限金利15%
これ以上の金利でお金を貸すことは違法となります。
よく耳にする「トイチ」というのは、10日で1割の金利、つまり年利にすると365%以上というとんでもない金利になります。最近では「トゴ(10日で5割)」「トサン(10日で3割)」などという恐ろしい金利の噂も耳にします・・・。
【貸金業法を守っているか?】
貸金業法では、総量規制により個人の年収の3分の1以上の貸し付けを禁止しています。これを無視してお金を貸す業者も違法ということになります。
困っているこちらとしては「貸してくれてありがたい」などと思ってしまいがちですが、完全に多重債務者地獄への道に加速を付けることとなってしまいます。
その場しのぎの甘い借金を重ねず、地道に返済するか、または「おまとめローン」などを利用するか、返済が難しければ債務整理を検討するかを考えた方が賢明ですよ。
・固定電話がない
貸金業を行うためには固定電話があることが絶対条件です。さらに広告には必ず固定電話番号を記載することとなっています。連絡先が携帯電話番号しかないような業者は違法業者なのです。最近では「090金融」などとも呼ばれています。こういった業者は事務所を持たない場合も多いです。
・最初は「少額を短期間」からが基本
いきなり数十万を貸すことは少なく、初めは1~2万円を一週間~10日程度といったように、少額を短期間貸すところが多いです。業者側も返ってこないリスクを減らすためです。
・ネットの口コミを検索
やはり実際の体験者の意見は重要です。今はネットで会社名を検索するだけで、数多くの口コミや体験談を知ることができますよね。要注意業者の口座や電話番号といった情報をまとめているようなサイトもあります。もちろんネット上での口コミを100%信じることはありませんが、悪い評判の多い業者は警戒することができるでしょう。
闇金は見た目だけでは分からない?
マンガやドラマの影響で、闇金と聞くと怖い格好をして暴力をふるうようなイメージを持つ方も多いでしょう。しかし最近の闇金は、見た目ではそうと分からない場合が多いのです。
きれいな事務所を構え、社員はみなこざっぱりしたスーツ姿、女子社員がお茶を出し、とても親切に相談に乗ってくれたりします。「ここは優良な中小業者なんだぁ」と安心させてしまうのです。
そして返済を続けている間は優しい顔を続けてくれます(法外な利息を払わされてはいますが)。しかし、ひとたび返済が遅れ始めると本来の顔を表してくるのです。
さらに手の込んだ闇金になると、仲間の別業者を紹介したりして、搾りとるだけ搾り取られてしまうのです。見た目だけで信用してはいけないのです。
闇金に返済しないと怖い人たちが取り立てに来る?!
昔から、借金取りといえば「怖い人たちが押し寄せてくる」というイメージがありますよね。
「今は何とか返済を続けているけれど、もし返済できなかったらどうなってしまうのだろう・・・」そんな不安を抱えている人も多いでしょう。
しかし、あなたがお金を借りているところが、法律に則って営業しているのであれば、そんな心配は必要ありません!お金を督促する(言葉は悪いですが取り立てる)のにもルールがあるのです。
これは貸金業法で定められた法律なのです。当然、守らなければ罰則があります。わざわざ法を犯してまで乱暴な取り立てをする登録業者はありません。
【貸金業法で禁止されている行為】
具体的に禁止されている行為を挙げてみます。いわゆるドラマや漫画などで目にしたことのあるような行為は、全て法律で禁止されているのです。
・正当な理由なく21時~8時の間に取り立てする。
深夜にドアをドンドンされるということはありません。
・大人数で押しかける
怖い人がゾロゾロと押しかけてきたらそれだけで違法なのです。
・貼り紙をする
玄関先や車などに「金返せ!」などと貼られることはありません。借金していることを本人以外に知らせる行為自体が禁止とされています。
・勤務先への訪問
職場へ赴いて取り立てすることはできません。職場だけでなく、居宅以外の場所への訪問、電話、FAX、電報も禁じられています。
・暴力的な態度、罵声や暴言
もちろん暴力自体も違法ですよね。態度や言葉で脅すこともないのです。
・「他の業者から借りて返せ」と要求すること
真っ先に言われそうなイメージがありますが、違法なのです。
・家族や第三者への取り立て
家族はもちろん、親戚や友人など、保証人でない人への取り立てはできません。また、これらの人が拒否しているのに、取り立てに協力するように要求することもできません。
・弁護士(司法書士)介入後の本人への取り立て等
取り立てだけでなく、訪問や電話での接触もできなくなります。
・上記のような行為を予告
実際に行動しなくても上記のような行為を「するぞ」と予告しただけで違法となります。では、そもそも法律を守る気のない闇金などの悪質な業者の場合にはどうでしょう?
この場合には、貸金業法で定められたルールなど無視する可能性が高くなります。返済日に1日遅れたとたん、ドラマや漫画で目にしたような怖い取り立てが来るかもしれません・・・。
と、脅すようなことを言ってしまいましたが、実際に自宅や職場まで押しかけて揉め事を起こすような業者は減っていると言われています。相手も少額の債権のために、わざわざ法律を犯すリスクは抱えたくないでしょう。
ましてや「臓器をよこせ」「命をよこせ」などといったハイリスク・ローリターンな方法を取るとも考えられないですね。
闇金から借りてしまったらどうする?
・弁護士(司法書士)に相談する
すでに闇金から借金をしてしまっているのであれば、迷わず専門家に相談することをおすすめします。「借りたものだから返したい」という気持は良く分かります。
しかしそういった真面目な人ほど、追いつめられて抜け出せなくなるケースが多いのが借金問題・多重債務問題なのです。
闇金業者は、完済したら「いい人だ」などとは思ってくれません。「いいカモだ」と考えてさらなる融資を迫ってくるのです。
最近の判例では、そもそも違法に貸し付けた借金は返す義務も無いという判決さえ出ています。元金さえ返さなくて良いという判例も出ているのです。
借金問題、特に闇金問題に強い法律事務所に相談するのが最善策でしょう。相談するだけなら無料という事務所が多いですよ。電話相談やメール相談できるところもありますので、話だけでも聞いてもらうことをおすすめします。
・どうしても返済したい場合
もし返済総額が多くなく、完済できるというのであれば、完済後は二度と借りない強い覚悟を持った上で完済しましょう。間違っても闇金の返済のために新たなカードローンを増やすようなことはないようにしましょう。
また、額が多くないのであれば、健全な業者のおまとめローンなどを利用する方法もあります。収入に対して無理のない返済ができるのであれば、闇金の借金をまとめる相談にも乗ってくれる業者もあります。
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