(CNN) 頭上の荷物入れやアームレストを巡って争ったり、殴り合いや蹴り合いに発展したり、客室乗務員を怒鳴りつけたり――。旅客機の乗客がそんな騒ぎを引き起こす一因はファーストクラスの存在にあるかもしれないという研究結果が、2日の米科学アカデミー紀要に発表された。
それによると、ファーストクラスがある旅客機の場合、エコノミークラスの乗客が騒ぎを起こす確率は、ファーストクラスがない旅客機の3.84倍に上ることが分かった。
搭乗する際にファーストクラスの区画を抜けてエコノミークラス区画に入った乗客が騒ぎを起こす確率は、直接エコノミークラスに入った場合の2.18倍だった。
この論文をまとめたカナダ・トロント大学のキャサリン・ディセレス准教授は、「人は貧しさや不平等を感じると行動に出る傾向が強まる」と解説する。
騒ぎが増えるのはエコノミークラスの乗客だけではない。全乗客がファーストクラス区画を通って搭乗した場合、ファーストクラスとエコノミークラスでそれぞれ別の入り口がある場合に比べて、ファーストクラスの乗客が騒ぎを起こす確率がほぼ12倍になることも分かった。
「社会的に高い地位にある人が自分の地位を意識すると、反社交的で高慢な態度になり、思いやりが薄れる傾向がある」とディセレス氏。
調査に当たっては、過去数年の間に国際便の機内で起きた騒ぎに関するデータベースを調べた。その結果、ファーストクラスがある便の場合、騒ぎが起きた件数は1000便につきエコノミークラスで1.58件、ファーストクラスで0.31件。合計すると数年で数千件の騒ぎが起きていた。
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