4月、民放各局の新バラエティー番組が始まった。初回の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は軒並み2桁割れ。スタートダッシュの難しさを示した。
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テレビの視聴形態が変化しつつあるインターネット時代。1クール(3カ月)毎に新作が制作される連続ドラマより、バラエティー番組を“当てる”方が難しいかもしれない。ただ、当たった時=視聴習慣が根付いた時の“実入り”は、ドラマよりデカい。
日本テレビの日曜夕から夜の「笑点」「ザ!鉄腕!DASH!!」「世界の果てまでイッテQ!」「行列のできる法律相談所」が最強の流れで、如実に示している。いずれの番組も毎週15%前後を記録し、20%に迫り、また大台を超えることもしばしば。日テレの2年連続3冠(全日=午前6時~翌日午前0時、ゴールデン=午後7~10時、プライム=午後7~11時の各時間帯で年間視聴率首位)を支える大黒柱なのは間違いない。
4月にスタートした民放バラエティー新番組(ゴールデン・プライム帯)の初回平均視聴率は以下の通り(テレビ朝日「橋下×羽鳥の新番組!(仮)」は例外)(深夜からの昇格、曜日・時間の枠移動は除く)。
<日本テレビ>
「究極の○×クイズSHOW!!超問!真実か?ウソか?」(金曜後7・56)=?%(5月6日)
<テレビ朝日>
「橋下×羽鳥の新番組!(仮)」(月曜後11・15)=7・9%(4月11日)
<TBS>
「直撃!コロシアム!!ズバッと!TV」(月曜後8・00)=7・8%(4月11日、2時間SP)
「珍種目No1は誰だ!?ピラミッド・ダービー」(日曜後7・56)=1部4・5%、2部7・1%(4月24日)
「7時にあいましょう」(月曜後7・00)=7・6%(4月25日、2時間SP)
<テレビ東京>
「世界!ニッポン行きたい人応援団」(木曜後7・53)=7・8%(4月14日、2時間SP)
<フジテレビ>
「幸せ追求バラエティ金曜日の聞きたい女たち」(金曜後7・00)=7・0%(4月22日、2時間SP)
「超ハマる!爆笑キャラパレード」(土曜後7・00)=6・6%(4月23日、2時間SP)
「人気者から学べそこホメ!?」(火曜後7・00)=5・8%(4月26日、2時間SP)
「ニッポンのぞき見太郎」(火曜後9・00)=5・3%(4月26日)
「モシモノふたり~タレントが“おためし同居生活”してみました~」(水曜後10・00)=8・2%(4月27日)
数字は1桁ばかり。初回から注目を集めることの難しさを示した。
合格点はテレ朝「橋下×羽鳥の新番組!(仮)」。視聴率こそ深夜帯のため7・9%だが、占拠率(シェア=該当局の視聴率が放送全体の視聴率に占める割合)は21・3%と健闘。18日の2回目も視聴率7・5%(占拠率21・2%)、25日の3回目も視聴率7・0%(占拠率20・4%)と推移している。
TBS「珍種目No1は誰だ!?ピラミッド・ダービー」は裏番組の日テレ「イッテQ」に真っ向勝負を挑んだ。ターゲットも同じファミリー層。今後の動向が注目される。
フジは全体的に苦戦ながら「モシモノふたり」は初回好評の声。ゴールデンウイークは在宅率が低くなるとはいえ「金曜日の聞きたい女たち」は29日の2回目で早くも3・9%に落ち込んだ。
有吉弘行(41)がクイズ番組のMCに初挑戦する日テレ「究極の○×クイズSHOW!!」は今月6日に2時間スペシャルでスタート。金曜夜は「爆報!THEフライデー」(金曜後7・00)「ぴったんこカン・カン」(金曜後7・56)「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(金曜後8・57)を並べるTBSが強く、その牙城を崩すべく投入された新番組。これが初回から視聴率2桁の好スタートを切るようなら、日テレの王座は盤石になりそうだ。
今や人気番組になったTBS「マツコの知らない世界」(火曜後8・57)もゴールデン昇格初回(2014年10月14日)こそ、前番組のサッカー日本代表戦(VSブラジル、14・1%)からの流れで12・8%だったが、2回目は7・0%だった。バラエティー番組が根付くには時間がかかる。1桁発進から、いかに“我慢”して視聴習慣を得られるか。各番組の知恵が絞られる。
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