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【島田洋一&加藤達也 特別対談(2)】慰安婦問題 「米は、韓国は余りにしつこいと」「日韓合意は破棄した方が損をする」

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【島田洋一&加藤達也 特別対談(2)】
慰安婦問題 「米は、韓国は余りにしつこいと」「日韓合意は破棄した方が損をする」

島田洋一・福井県立大教授 島田洋一・福井県立大教授

 島田氏「アメリカにおいてはアーミテージ・ナイグループというのがあって、アーミテージ氏は共和党の人、ジョゼフ・ナイ氏は民主党の人なんですが、アーミテージ・ナイリポートという安全保障に関する有名なリポートがありますが、アーミテージ氏とナイ氏は党は違いますけれど、それぞれ緊密な関係を保っていてアーミテージの弟子筋、これはマイケル・グリーン氏とかランディー・シュライバー氏とかいろいろいるわけですが、それからナイの弟子筋、これはカート・キャンベル氏だとか民主党人脈。彼らは党は違うのですけれど、常に一体となってどちらの党が政権を握っても、東アジア政策は自分たちのグループで動かすと。悪い言葉を使うと一種の利権集団的の面もあるのですけれど。アーミテージ・ナイグループに関していうと日韓合意を破棄するなんていったら、破棄するといったほうがけしからんという格好で大体、意思統一ができているように思うんです」

 加藤「米国は年内に大統領選を迎えますが、外交政策の安定感に特別の影響は出ませんか」

 島田氏「トランプ氏が大統領になるとか分からない要素もあるんですが、基本的に民主、共和、どちらの政権になっても、このグループ、例えばヒラリー氏が政権を取ったとすると、カート・キャンベル氏なんていうのはヒラリー国務長官の下で国務次官補をやっていた。当然また重要ポジションで国務省入りすると思うんですが、キャンベルが入るというのは、やっぱりアーミテージ・ナイグループが東アジア政策を教える、抑えるということです。だから、このグループをきっちり捕まえておくことが大事でして、このグループの動向が一番重要な要素になってくると思うのですが、韓国が合意を破棄するといったら韓国を批判してくると思います。だから『日本は何も心配する必要ない』というアーミテージの発言が出てくるわけです。日本としては淡々と、『日本は日韓合意を守ります』と言い続けたほうがいい。そのうえでファクトに関してはちゃんと情報発信をして、韓国側がそんなことをいう日本が『事実上合意を破棄している』といってきても『日本は絶対合意を破棄しない』と。ただしファクト説明するのは別だと押し通していくべきだと思います。一部の日本の保守の中には、あの合意は日本から破棄すべきだという人がいますが、私がアメリカの状況を見ている限り、それを日本がやると損するという感じはあります。むしろ合意は守りますよといいながら、ファクトの説明という格好で保守の人たちが自分の主張を発信していけばいいわけです」

=(3)に続く

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