駅前レンゲ畑、今年で見納め JR島本駅西側
JR島本駅西側にある「島本レンゲ畑」が今年も見頃を迎えている。区画整理事業に伴い、今回が見納めとなる予定で、周辺住民からは残念がる声も聞かれる。
レンゲ畑は、かつて田園に広がっていた風景を復活させたいと、地元住民らが1993年に「町レンゲ育成連絡会」を発足させ、始めた。農閑期の水田約1万2千平方メートルでレンゲを栽培して開放。新興住宅などの開発が進む同駅東側とは対照的に、農村の原風景を残す場所として町内外から毎年約4千~5千人の人々が訪れる人気スポットとなっていた。
今年3月、レンゲ畑の土地が近い将来の市街化区域編入を前提とした「保留区域」に指定された。地権者約60人でつくる「JR島本駅西土地区画整理準備組合」が町と協議し、合意に達すれば、開発が可能な市街化区域への編入を申請する手続きに入るという。このため、今回が最後になる見通しだ。
町レンゲ育成連絡会メンバーの清水照光さん(76)=大阪府島本町桜井2丁目=は「住民憩いの場がなくなってしまうのは残念だが、地権者の理解があってこれまで続けられた部分もある」と話す。
レンゲを写真に収めていた巽豊さん(62)=同町東大寺3丁目=は「(JR島本駅の)ホームから見るレンゲに、思わず見とれてしまったことがある。町の春の風物詩だったので、無くなるのは寂しい」とつぶやいた。
開園は5日まで。問い合わせは連絡会事務局TEL075(962)0209へ。
【 2016年05月03日 15時00分 】