「政治活動かどうかファジー(あいまい)で、明確に区別することは難しい」
業務上横領罪で告発された田母神俊雄被告(67)について今回、同罪での立件が見送られた事情を検察幹部はこう説明した。スーツ代やクラブでの飲食費が政治活動の一環か、私的な流用か。線引きは困難というわけだ。
田母神被告は政治資金から、交際相手の婦人服代も支出していた。産経新聞の取材には「一見私用に見えるものでも、政治資金で落ちる場合があると元会計責任者から言われた」と語った。「政治活動」のパーティーなどに交際相手が同行すれば、それは必ずしも私的流用とは言えなくなる。
政治資金規正法は「規制」ではなく、政治家自身が襟を正す「規正」の字を当てる。政治資金の使途の判断は政治家に委ねられ、だからこそ、「ザル法」にもなり得る。
「国民の浄財」の一部は運動員買収に使われた。田母神被告は逮捕前、「事務局長(島本順光被告)が支払わなければいけないと言うから、その通りに支払った」と釈明し、違法性を認識したのは陣営関係者から指摘を受けた昨年2月ごろだったとしていた。
その感覚は世間の常識とはかけ離れている。新しい保守の流れに期待して寄せられた約1億3千万円のうち、約5千万円が使途不明となり、立件されたのは約545万円だ。私的流用分の刑事処分は今後に持ち越された。
ただ法的な側面はさておき、「浄財」に対する田母神被告や陣営関係者の認識は甘いと言わざるを得ず、それは寄付者、ひいては国民への裏切りに等しい。(大竹直樹)
Yahoo!ニュースからのお知らせ
-
1
保育士の“給与の低さ”は深刻。現役保母ドル・市川みかが語る実態「ラクな仕事じゃない」 週刊SPA! 5月2日(月)9時21分
-
2
バカ高いクリスピードーナツ、店内閑散で閉店の嵐…ミスドと味は同レベルで値段は5割高 Business Journal 5月1日(日)6時1分
-
3
「下層風俗嬢」3500円でカラダを売る女たち 性のデフレ化が止まらない 現代ビジネス 4月26日(火)14時1分
-
4
「40代以上で結婚できない男」に共通する3つのポイント 週刊SPA! 4月30日(土)9時21分
-
5
南海トラフ地震「発生が早くなる」可能性も 専門家が指摘〈AERA〉 dot. 5月2日(月)11時30分
読み込み中…