中国で人件費が上昇し、製造業ではコスト優位が失われつつある。だが、その一方で中国企業は技術力を急激に高めており、韓国の製造業は中国製造業に対して「危機感を募らせている」という。
中国メディアの参考消息網はこのほど、韓国メディアの報道を引用し、中国のコンシューマーエレクトロニクス、石油化学、自動車産業などの製造業はもはや「韓国を目標にはしていない」と主張。2025年には日本とドイツに追い付き、2045年には米国に追い付くことを目標にしていると説明した。
続けて、韓国メディアが「中国製造業の発展は韓国の想像をはるかに超えている」と表現していることを伝え、例えば中国のコンシューマーエレクトロニクスの発展について、2016年1月に開催された世界最大の家電見本市「CES 2016」において、舞台の中央を占めたのは韓国企業ではなく、中国企業のハイアール、ハイセンス、TCL、HUAWEI、長虹だったと紹介。2010年当時の韓国と中国の力関係はすでに逆転していると指摘した。
さらに記事は中国はかつて韓国石油製品の最大輸入国だったにもかかわらず、現在中国の石油精製能力は韓国の3.4倍にも達したと説明。また自動車産業においても中国市場における15年の現代自動車の販売台数は5.1%減となったが、中国の長城汽車などの国産メーカーには勢いが見られると指摘した。
CES 2016に世界各地から参加した3600を超えるメーカーのうち、中国企業の数は1300社にものぼり、うち「ハードウェアのシリコンバレー」と呼ばれる深セン市の企業は652社だった。深セン市での製品開発は試作品をいち早く製造できるという大きなメリットがあるといわれるが、中国企業の発展にはこのような優れた環境も関係している。
また、14年に開催された「IFA 2014」においてTCLはサムスン電子やLG電子に先駆けて量子ドットテレビを発表した。当時、LG電子の研究スタッフも中国企業の猛追をすでに認めていたようだ。記事の内容で特に注目したいのは、現在の中国製造業の実力だけではなく、その発展のスピードだ。応用力の基礎となるのは十分な知識だが、中国企業にはすでに十分な知識が備わっており、それが発展のスピードに直接関係していると言える。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
危機感を募らせる韓国製造業、「中国はすでに韓国は眼中にナシ?」
2016-05-03 06:34