仮想通貨「ビットコイン」をめぐり、オーストラリアの起業家が考案者は自分だと英国放送協会(BBC)やエコノミストなどに名乗り出た。2009年に「サトシ・ナカモト」という人物が考案したとされてきたが、実際の考案者は分かっていなかった。
報道によると、この人物はコンピューター科学者のクレイグ・ライト氏(45)。技術的な証拠を持っており、ビットコイン開発に関わった主要メンバーも主張を認めているという。ライト氏は「他人の助けも得たが、私が中心人物だ」とした。
名乗り出た理由は、メディアによる考案者探しに終止符を打つためだとしている。「お金や名声のためではない」などとインタビューに答えた。
ただ本当に考案者かどうかはさらなる検証が必要になりそうだ。エコノミストは「主張通りナカモト氏かもしれないが、考案者を本当に立証するのは不可能だろう」などと報じた。
ビットコインはピア・ツー・ピア(P2P)という通信技術で金融機関を介さずに個人同士で資産を動かせることから、世界で急速に人気が高まった。一部の通販サイトやレストランなどでも決済ができる。
日本でも昨年、取引量が一時世界最大だった取引所運営会社「MTGOX」(マウントゴックス)の社長が逮捕されて話題になった。