韓国の大誤算!  国益は中国より日米、それにようやく気がついた朴槿恵はまもなく習近平と決別する

2016年05月02日(月) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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韓国経済が中国を抜きにして成り立たないことは明らかです。輸出全体の25%も占めているからです。

しかし、歴史認識に関わる問題についてまでも、中国に依存して日本を責め立てようとする韓国の姿勢には、大いに違和感がありました。

'14年1月、朴槿恵大統領が習近平主席に依頼していた「安重根記念館」が、開設されました。伊藤博文初代韓国統監を暗殺した犯人を記念する施設が、中国人の手で建てられたのです。韓国は「反日」という共通認識を持ち出して中国に擦り寄り、中国もその価値を認めて応じたわけです。

もともと中国は、ときの権力者が自分にとって都合よく歴史を作り替えてきた国です。最近では、天安門事件という歴史的事実を抹消しようとしています。そういう国と歴史問題で共闘するなどということ自体が、「原理原則」を貫く朴槿恵大統領の信念にそぐわない行動です。

そもそも歴史問題を持ち出すのなら、朝鮮戦争(1950年~'53年)で、100万人を超える韓国の市民が中国軍に殺されているにもかかわらず、中国には嫌味の一つも言えないのです。

一事が万事で、経済面を見ても、昨今の韓国の景気後退の原因が中国経済の減速にあるのは明らかなのに、アベノミクスの犠牲になっているという論理で片付けようとしてきました。

ともあれ、日本と韓国が仲違いすることは、中国の思うツボでした。中国は、日韓対立を利用して、アジア太平洋地域のパワーバランスを変動させてきたのです。

中国に期待しても無意味

韓国はこれまで、「中国と安全保障上の関係を強化するのは、北朝鮮への対処のためだ」と、日米に説明してきました。しかし、いくら韓国が擦り寄ろうとも、中国は本気で韓国のためになることはしてくれません。

1月に北朝鮮が核実験を強行し、2月に長距離弾道ミサイル実験を行っても、中国は国連安保理の制裁に渋々従ったような状況です。強い米国に対しては慎重ですが、弱いアジアの国々に対しては、強硬な態度に出るのが中国なのです。

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