私が駐韓大使をしていた時、まだ大統領になる前の朴槿恵さんを大使公邸に招待し、晩餐をともにしました。彼女は終始にこやかに、和食を召し上がっていました。
朴槿恵大統領は聞き上手で、自分から積極的に話すタイプではありません。そして、決して反日派ではありません。
私がソウルを離任する際にも、日本茶を贈ったのですが、「帰任前のご多忙な時に、私のことを気にかけていただきありがとうございます」と、丁寧にお礼を言われました。
日韓対立は中国の思うツボ
朴槿恵政権になって、韓国外交が迷走し始めたのは事実です。それは、「安保は米国、経済は中国」という韓国の戦略的な立場を崩し、ひたすら中国の機嫌を損ねないように振る舞ったからです。
その一方で、日本に対しては、執拗に歴史問題にこだわるばかりで、日本の能力を韓国の外交や経済活動に活用しようという視点が欠落していきました。
本来、「価値観を共有する重要な隣国」として、日本との協力関係を推進していくことが、韓国の国益につながるはずです。それを、相互協力そのものを否定してしまったのです。
しかし、昨年12月28日になってようやく、岸田文雄外相が訪韓して日韓外相会談を行い、慰安婦問題の解決を巡って二国間の合意がなされました。ここでは、日韓交渉のお家芸とも言える「白黒をはっきりつけずに決着へ持っていく」という外交手法が、巧妙に使われました。
この会談に先立ち、日韓局長級協議を12回も行いました。最大のポイントは日本政府の法的責任をどう取り扱うかでした。
その部分の表現は、「日本政府は責任を痛感する」となっていて、日本政府が難色を示していた「法的責任」は回避されています。一方、韓国側からすれば、元慰安婦の名誉回復につながるとして、納得できます。これで日韓は仲直りができたのです。
この合意は米国を始めとする国際社会も認めており、韓国は後戻りできません。
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