「ダメよ~ダメダメ」 NOと言い始めた日本

 ソフトな文化コンテンツから始まった日本についての分析は、ここにきて「右向け右の日本」を実践に移している政治・経済次元の分析へと掘り下げられていく。そして幾つかのキーワードとデータが示される。14年に日本で流行語大賞を獲得したのは「ダメよ~ダメダメ」だった。70代の男性と若い女性ロボットが主人公となるコントの中のせりふで、寂しさを訴える男を「彼女」は常に拒否する。一見するとばかげたコントのようだが、実は戦後の日本人が自分たちに投げ掛ける決意が込められているとの分析だ。

 日本人はもともと「No(ノー)」という言葉を口にしない。「No」と叫べば、その瞬間から相手を敵に回すことになり、状況が一瞬にして気まずくなるからだ。そのような日本で、3回続けて「ダメ(No)」と繰り返すのだ。この流行語は結局「集団的自衛権」や「従軍慰安婦」「中国の領空侵犯」に対する日本人の意識を示す象徴的な言葉だ、と著者は読み解いている。

 戦争放棄を宣言した憲法9条に対する日本人の認識の変化、自衛隊隊員が日本人女性の「結婚したい男性の職業ランキング」の上位に入るようになったという現状、日本を信頼する米国人に比べて米国を信頼する日本人がはるかに少ないというアンケート結果、これらの数値とデータは、この疑い深く控えめな国の本心を自然な形で示してくれる。日本の現在に注目する理由は、もちろん「韓国の明日」を読み解くためだ。現場に軸足を置いた細やかな韓日比較という点で、必ず読むべき一冊ともいえる。328ページ、1万5000ウォン(約1400円)。

魚秀雄(オ・スウン)記者
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