やー、大変だった。先週の金曜日、夜七時半のこと。
夕飯もほとんど食べ終え、父・母・祖母の３人でTVを見ながら家族と談笑していたとき、
突然母親が窓の外を見て、
「火事！？」と叫んだ。

まさかそんな、と思いつつ父親とともに表に出たら、パチパチと燃える音と黒い煙が。
なに？！と思って、ベランダから下を覗くと（ちなみにウチはマンション７階）、
隣の材木屋からすでに結構な火の手があがっておりました。

ちなみに図面はこんな感じ。

赤い○が出火場所。
なんというか隣は酒屋と無人木造家屋と七階建てマンション２つ（ウチとその隣）と、
兄貴の新築の家という悪夢の立地。
ちなみに水色のバッテンは、貯水タンク。

見てすぐさまこれはヤバイ！！と感じ、
「火事だー！！火事ですー！！！」
「駐車場の車危ないよ、どけてー！道あけたげてー！！」
と、大声でベランダから何度も叫んだ。
この声でかなりの人が気づいてくれたようで、
近所の駐車場から車が一気に避難。
その間に、うちの母親は消防に通報と、新築に住んでいた一番上の兄貴家族、
ウチと同じマンションの下の階に住んでいた二番目の兄貴の彼女へ避難するよう連絡。
父親はマンションの一番火に近い場所からマンションに燃え移らぬよう、
外壁をぬらしつつ放水。

しばらくして消防車の音が聞こえ始めた頃には、
うちの一番火に近い部屋のベランダはほとんど黒煙につつまれ、
そんな中で父親はホースで放水。
「お父さん危ないからやめて！もういいって！それより避難！！」と伝え、
それなら他になにかやるべきことはと考える。
ちなみにウチはマンションの大家。
マンションを守るとともに、守らなきゃいけないもの・・・。住人だ！
マンションの下の階の住人も避難させないといけないと思い、
お母さんにやってもらおう！と思ったが、どこにもいない。
どこへ行ったのか祖母や父に聞いてもわからない。
仕方ないので、父親と二手に分かれて上下の階から避難指示を出して回ろうということに。
（twitterに「ひなんします」と書き込んだのは、実はこの段階）

「火事です、急いで避難して！」とインターホンを鳴らしながら叫びつつまわる。
マンションの表にはすでに避難し終えた人がいたものの、
まだまだ残っている人はいて、最低限持てるものだけ持ってドアから出てくる。
しかし、何階下りても父親と会わない。多分、まだウチであれこれやってるな・・・。
そう思ってると突然「ボンッ」という爆発音。避難した住民から叫び声。
住民の避難した先を見ると、音に驚いただけの様子。実被害はない模様。
なにが起きたのかわからないが、急ぐしかない。
結局、上から順に１階まで降りきった後、自宅の七階へ。
（後に解ったことですが、隣のマンションの駐車場にとめてあった車が爆発した音だったそうです。）

あたふたしている祖母と、放水している父親がまだ居た。
足腰の悪い祖母には、エレベータがまだ使えるうちに早く逃げてと説得する。
父親は、結局いまだに煙の中で格闘していた。
「危ないからやめて！避難しよう！
　もう住人は避難したから後はウチだけだから！！」と言うと、
やっと説得に応じ、危険な場所から避難する。
母親も、全く降りてこないウチの家族を心配して戻ってきてしまった。
どうやら一番上の兄貴夫婦と二番目の兄の嫁と合流し避難したのにも関わらずだ。
結局なんとかまず祖母に避難してもらう。

父は最上階のエレベータ塔から屋上部分を水でぬらすべく、
バケツに水を汲もうとしていた。こりゃ言っても聞かないな。
仕方ないので、母には貴重品を持って逃げれるよう準備することをお願いしつつ、
私は少しでも被害を食い止めようと、さっきまで父が放水していた煙の酷い場所に出る。
が、あまりに酷すぎて目も喉も痛く、5秒と開けられない状況。
自室に戻り、バンダナと花粉症対策用のメガネを持ってきて、
服とバンダナを水でぬらし、バンダナは口元で縛ってマスクに。
最低限の簡易防護でホースから放水していると、消防士が来た。
「ここは危険ですので、早く避難してください」

あかん、後はなるようになれ。やるべきことはやったんだ。
最低限のモノを持って逃げようと腹をきめる。
父親も消防士に説得された様子。
そして母親はというと、いまだに玄関であたふたしていた。
（後に聞いたが、延焼の可能性を考えず、財布しか持たずに
　通帳などは取りにいかなかったそうな。いやいやいや、最悪の可能性考えようよ（滝汗　）　

避難してご近所さんと合流し、外から見てみるとすでに七階角は黒い煙で見えない状況。
もちろんウチの敷地自体も危ない状況だったけど、幸いなのは、
マンションの建物と出火した家との間に、ウチの庭があったためまだ助かる。
だが、庭の一番最奥、すでに燃えている家との間１ｍくらいの距離に、
ウチのマンションの上層階に水を送る貯水タンクが。これをやられたら、当分断水。
もちろん、それだけで済めばいいわけで、
先ほど言ったようにすでに七階の一部分は黒煙に飲まれている。
ちなみに、木造の無人家屋のほうはすでに窓から煙がもくもくと出ていた。

一方、消防車は表通りの酒屋や喫茶店が並んでる南側に整列し、
こちら側には全く来ておらず、放水も南側からのみ。
急いで消防士を探し出し、
「西側に駐車場があって、そこから北西方面から放水できます。　
　駐車場も今なら車避難してるから消防車ごと入れます。」と伝える。
その後しばらくして、指揮者と腕章をつけた人が西側駐車場を見に来て、
こちらからも放水するよう指示が下った。

その後、一番上の兄貴の新築の家が無事か父親の指示で見に行ったりと、
本当にその日はゴタゴタしました。
一番上の兄貴は、出火元が近かったため簡単な事情聴取があった。
その嫁さんは精神的に参ってしまったようで泣き出し、
その子ども達３人も不安だったようで一緒に泣いちゃって。
二番目の兄貴の嫁さんも、だいぶパニックになってた様子。
兄貴夫婦達は夕飯もまだだったそうなので、
近くの１００円回転寿司で夕食をとりつつ落ち着かせ、二番目の兄貴も合流。

祖母は、親戚が迎えにきてくれて、一泊泊めてもらうことに。
兄貴夫婦はママ友達のお家に泊まることに。
全てが落ち着き、立ち入り禁止が解かれて家に帰れたのは夜の12時近くでした。



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家に帰ったら、なんと水浸し。
実は放水に使っていたバケツの水。風呂場から給水してたのですが、
私も父も、消防士の避難指示を受けて、持つものだけ持ってすぐに避難したので、
誰も水を止めなかった。

そして、避難している何時間のうちに風呂桶の水があふれ、
それが風呂場からも、洗面所からもあふれ、廊下にまで出ていたわけです。

ギャー！！

とりあえず水を止め、風呂の栓を抜きつつ廊下を拭いていたら、
階下にも水漏れが起きてしまっていたようで。
6階の２部屋、5階の２部屋、4階１部屋、３階1部屋と、
まー過去にないレベルの水漏れ。
入居者のいない部屋には雑巾とバケツと懐中電灯を持って、
水を拭きに回りましたよ、日付回ったあともね・・・ｗ
ひと段落したのが午前２時だか３時でしたo...rz
もちろん後でオカーチャンに父と共に怒られましたとさ。

後日。朝になって現場の写真。

いやまぁひどいのなんの。死者がいなかったのが奇跡だわ。
ウチも、結局貯水タンクは無事。
だが、下の階の窓は熱でひび割れたり、七階のウチも、
一番近かった部屋の網戸や雨どいは溶け、植物は熱で枯れてました。
兄貴の新築の家も、燃えた家との間が１ｍ無い状態だったわけですが、
風向きが南東の風だったのと断熱材をちゃんと使っていたため、
外壁が一部溶けたのと雨どいがやられただけで無事。
隣のマンションは、画像の通りに車が３台燃えました。
私自身も、煙をまともに吸ってしまって１日ずっと頭痛が酷かったです。

いやま～、ほんとこの程度で済んでよかったわ。
皆さんも火のもとには気をつけてくださいね。明日は我が身です。
そして、被害は自分のところだけで済まないですからね。
あーもう、ホントに怖かった。