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【ゴルフ】

福嶋浩子、史上初の姉妹V 長姉・晃子の前でつかんだ1勝!

2016年5月2日 紙面から

最終日、プレーオフを制しツアー初優勝を果たした福嶋浩子は、姉の晃子(中)に祝福される。(右)は晃子の長男和樹君=静岡・グランフィールズCCで(神代雅夫撮影)

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◇サイバーエージェントレディス<最終日>

 ▽1日、静岡県三島市・グランフィールズCC(6562ヤード、パー72)▽晴れ、気温23・1度、西6・1メートル▽賞金総額7000万円、優勝1260万円▽53選手(うちアマ1人)▽観衆2511人

 初日から首位に立った福嶋浩子(38)が、終盤でスコアを落として通算5アンダーでプレーオフに突入しながらも、1ホール目のパーセーブでキム・ハヌル(韓国)を下し、国内女子ツアー史上4番目の年長記録(38歳245日)となる初優勝を飾った。ツアー24勝の姉・晃子(42)との「姉妹優勝」は史上初。1打差の4アンダー3位にイ・ボミ(韓国)、3アンダー4位に笠りつ子(28)=京セラ、辻梨恵(22)=大和証券=が入った。

 「ヒーコ」の38歳245日目は長く険しく、苦しかったが、最高の日になった。

 日米通算26勝の晃子の妹としてでなく、元プロ野球選手・久晃の三女としてでもなく、プロゴルファー福嶋浩子の待ちに待った晴れ舞台。初日から単独首位を譲らず、この日4、5番で連続バーディーを出したときには通算10アンダーまで伸びていた。7、11番でボギー献上も12番パー4では第2打をピンそば5センチにつけるバーディー。勝負ありかと思わせたが、ここからが優勝争いの本番だった。

 「何かがちょっとずつ違う。これが優勝争いか、と思った」。13番で2つ目の3パットボギーを出すと、16番ではグリーン段下からの15メートルを5メートルもオーバーさせ、なんと4パットのダブルボギー。「冷静じゃなかった」と続く17番もボギーとして、結局5アンダーで先に上がっていたキム・ハヌルとのプレーオフに。しかし1ホール目、最後はハヌルが短いパーパットを外して、あっさりと夢の初優勝が決まった。

 2007年のツアーデビュー後、5位が最高。昨年までは「ツアー優勝やシード入りなんて、私とは無縁のこと」と話していた。しかし昨オフ、確かな手応えを得た。「私でもできるんじゃないかな」。一番近くて、一番遠かった、偉大な姉・晃子が「うん、できるんじゃない?」と返してくれた。その姉は、グリーンサイドで自分より先に泣いていた。

 幼い頃からの呼び名は「ヒーコ」。一度は右肩の故障とイップスでプロを断念、姉のマネジャーをしながらティーチングプロA級資格を取り、さらにアンカリング禁止で引退も考えた昨年、「私、ヘビ年だから、蛇行なんです。でもまだまだ旅の途中です」。山あり谷あり、涙いっぱい、笑いいっぱいの道のりは、見る者たちも幸せにしてくれそうだ。 (月橋文美)

 

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