トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

樹理、お待たせプロ初勝利 2失点を自分で取り返した

2016年5月2日 紙面から

ヤクルト−巨人 プロ初勝利を挙げファンに祝福される原樹(出月俊成撮影)=神宮球場で

写真

◇ヤクルト11−2巨人

 ヤクルトが今季初の4連勝を飾った。原樹が6イニング2失点でプロ初勝利。打席でも2回に逆転の2点二塁打を放った。3回以降も山田が2打席連続本塁打を放つなど大勝した。巨人は今季ワーストの11失点で3連敗を喫し2位に転落。

 キラキラ光る傘の波に、こだまする東京音頭。6戦目でやっと、待ちかねていた瞬間がやってきた。ヤクルトのドラフト1位・原樹が6イニングを5安打、2失点に抑えプロ初勝利をつかんだ。

 「ずいぶん時間がかかったが、神宮で勝ててうれしい。7回くらいから『勝てるかな』と思ったら体がフワフワしてた」と、喜びを語った。

 東都大学リーグは指名打者制のため、東洋大では全く打撃練習をしていなかったが、2回、2死一、三塁では左中間を破る逆転の2点二塁打。プロ初安打、初打点、初得点に初振り逃げのおまけまでついた。

 報われない好投もあった。痛恨の逆転弾や降板後に救援陣が打たれ、白星が消えたことも…。

 「心が折れそうな時もあったが、一人でやっているわけじゃない。こんなところでくじけていられないと自分に言い聞かせた」。支えになったのは大学からのライバル・今永(DeNA)の存在だ。5戦未勝利ながら自分より防御率のいい今永(2・45)に先んじての初勝利。互いに「粘れ」、「あきらめるな」とメッセージを送り合ってきた。

 ウイニングボールは「オヤジに渡したい。『やりたいことをやれ』と育ててくれた」と、ロシア音楽の声楽家でもある父・敏行さん(82)にプレゼントする。高齢の父のため「できるだけ早いうちに勝つところを見せたかった」という。樹理の名は「男に大事なのは理性。理性が樹木が生い茂るようにという意味を込めた」と敏行さんが付けた。ところがキャンプ地・浦添でのオープン戦では「樹里」と表記されたことも…。「早く覚えてもらえるよう頑張る」と発奮した。原樹理。この名を世に知らしめていくための、第一歩を踏み出した。 (竹村和佳子)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ