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……これは消費者庁が作った、架空の健康食品広告。どこかで目にしたようなフレーズがずらずらと、ぽっこりしたお腹のイラストなどと共に並んでいて、「よくできているなあ」と思わずつぶやいてしまいました。
はっきりと言葉で「運動も食事制限もせずに痩せられる」とか「短期間で著しく痩せられる」とは書いてはいませんが、広告全体から、あたかもこの商品をとるだけで運動や食事制限をすることなく、短時間で簡単にとても痩せる効果が得られるかのように表示しており、消費者庁はこうした広告は、景品表示法が禁じる「不当表示」や健康増進法で禁じる「虚偽誇大表示」にあたる恐れがあるとしています。
様々なところで「問題が多い」と指摘されている健康食品の広告。どんな広告が法律上問題となるのか、消費者庁は4月20日に、景品表示法と健康増進法の基本的な考え方と問題となる事例をまとめた「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法の留意事項について」の原案を発表しました(http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160420premiums_1.pdf)。5月20日までパブリックコメントを募っています。
ここで言う「健康食品」は、健康状態の改善や維持の効果、特定の成分などを表示して販売する食品のこと。いわゆる健康食品のほか、国の制度である特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品も含まれます。
「特定の用語や言葉の使用を一律に禁じるのではなく、法律上問題にあたるかどうかは、一つ一つの広告を個別具体的に判断する」というのが基本姿勢ですが、そうは言っても何か目安が必要。そこで、様々な事例をあげています。
健康食品の宣伝にはよく、試験結果やグラフが登場します。これについては「実際には、試験対象者がBMI25以上の者に限定されているにもかかわらず、その条件を明瞭に表示しないことにより、標準的な体形の者にも同様の効果があるかのように表示するなど、試験条件(対象者、人数、摂取方法など)を適切に表示しない場合」を、「問題がある」としています。
使用者の体験談についても「一部の都合のよい体験談やコメントのみを引用などして、誰でも容易に同様の効果が期待できるかのような表示をすること」にイエローカード。
よく見かける「個人の感想であり、効果には個人差があります」という注意書き。これがあったとしても「虚偽誇大表示等に当たるか否かの判断に影響を与えるものではない」としており、言い訳には使えなさそう。
行政の文書ですので、慣れない方には読みにくいかもしれませんが、健康食品を選ぶ側の消費者にとっても、どんな広告に問題があるのか、思わず釣られてしまいそうな手法がわかって参考になる資料です。
ところで、この資料の中で私が一番興味深かった一文は「健康食品の中には、痩身効果を標ぼうするものが多く見受けられる。しかし、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回らない限り、人は痩せないのであって、特定の健康食品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、短時間で容易に痩身効果が得られることはない」。そう、ダイエットに王道なし。わかってはいるんですが……。
<アピタル:食のおしゃべり・トピック>
1991年4月朝日新聞社に入り、盛岡、千葉総局を経て96年4月に東京本社学芸部(家庭面担当、現在の生活面にあたる)。組織変更で所属部の名称がその後何回か変わるが、主に食の分野を取材してきた。10年4月から編集委員(食・農担当)。共著に「あした何を食べますか?」(03年・朝日新聞社刊)
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