三菱ショックに青ざめる「企業城下町」の現実

行き場失った新車が雨ざらしに

従業員約1300人が自宅待機となっている水島製作所(4月27日午後)

三菱自動車による軽乗用車の燃費偽装問題が、地域経済に大きな打撃を与えている。

対象車種の販売停止を受け、同社の水島製作所(岡山県倉敷市)は4月20日以降、軽の生産ラインが停止し、同工場で働く従業員約3600人のうち約1300人が自宅待機を強いられている。岡山県内には売上高の半分以上を三菱自に頼る下請け業者も多く、影響は深刻だ。活気を失いつつある三菱自の「企業城下町」を歩いた。

雨ざらし

問題発覚から1週間が過ぎた4月28日朝、水島製作所から南へ約1キロにある約18万平方メートルの広大な敷地では約2400台の軽が雨に打たれていた。販売停止で行き場を失った「eKワゴン」などの新車だ。

水島製作所では年間31万台の軽やセダン、電気自動車を生産し、約6割の19万台が軽だ。三菱自は4月20日以降、偽装が発覚した軽4車種の生産を停止している。「普段はもっと忙しくしてるよ。寂しくなっちゃった」。60歳代の男性警備員は敷地入り口の警備員室で自嘲気味に話した。

三菱自の不祥事は2000年以降の大規模なリコール隠しに続き、これで3度目。同社の社員からは怒りや不安の声が上がっている。

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