[PR]

 政策ビラが配られていないのに配布代金などを政務活動費に計上したとして、堺市の小林由佳(よしか)市議(37)=大阪維新の会、北区=が、2011~14年度に受け取った約285万円を返還する方針を市に伝えていたことが分かった。小林氏の政活費をめぐっては市民が9月に住民監査請求をしていた。

 小林氏によると、代理人の弁護士の調査で、ビラの配布を委託した業者が精神疾患のため、大半のビラを配布していなかったことが最近わかり、5日、市監査委員に返還の意思を表明したという。取材に「ビラを配ったという配布完了書を受け取っており、業者を信用していたので大変残念に思う」と話した。

 市によると、小林氏は11~12年度に受け取ったアルバイト代約85万円についてもすでに返還のための手続きをしたという。

 この問題では、堺市の自営業者男性が小林氏の議会報告のビラを見たことがないのに、政活費に計上されていることに疑念を持ち、住民監査請求を提出していた。その際、6月に男性が独自で北区の住民79人に聞いたところ78人が「見ていない」、1人が「わからない」と答えたと主張していた。(村上潤治)