三菱自動車の燃費データ改ざん問題で、国土交通省は2日、改ざんがあった「eKワゴン」など軽自動車4車種について、燃費や排ガスを測定する独自試験を始めた。国による独自試験は極めて異例。結果は6月中に公表し、その後、同社が市販している他の9車種でも同様の試験を行う予定。
試験は同省所管の独立行政法人「自動車技術総合機構」の埼玉県熊谷市のコースで実施。車が一定速度まで達した後にギアをニュートラルに入れ、時速10キロ刻みで減速する時間を計ることで、路面の摩擦や空気抵抗など「走行抵抗値」を算出する。その抵抗値を基に、屋内で台上試験をして燃費をはじき出す。
4車種の実際の燃費と、改ざんで算出された燃費との間に明確な差があれば、性能の均一性が損なわれる恐れがあるとして、生産・販売に必要な認証「型式指定」の取り消しを検討する。
走行抵抗値は本来、メーカーが走行試験で測定し、国に申請。国は申請値をもとに屋内で台上試験をして燃費を出す。三菱自動車は4車種で意図的に小さな走行抵抗値を国に提出し、燃費を実際より約5~10%よく見せかけていたとされる。
同機構の試験担当者は「メーカーの提出する数値を信頼した結果、不正を招いた。今後起こらないよう、国交省と連携してどういう方法があるか検討したい」と話した。