急速に普及しているスマートフォン(スマホ)だが、使い続けた後に視界がぼやけたり、首が疲れたりした経験はないだろうか。日常生活に支障がなければつい見過ごしがちな症状だが、放置すれば重症化する危険もあるという。何に気をつければよいのだろうか。(加納裕子)
まずは記者自身が頻繁に感じている目の異常についてはりむら眼科(大阪市住之江区)の播村佳昭医師(60)に尋ねると、「うつむいた姿勢でスマホを見続けることで、眼精疲労が起きやすくなることは確かです」。
播村医師によると、まず、まばたきが減るため目が乾く「ドライアイ」になりやすくなる。通常のまばたきは1分間に30回程度だが、ノートパソコンでの作業中は10回程度になるとされ、播村医師は「スマホでゲームに夢中になれば“目が離せない”ため、もっとまばたきは減少するはずです」と指摘する。
また、手に持ったスマホの画面と目との距離はおおむね30センチ未満と近距離。こうした近い場所にピントを合わせる「調節」が目にとって負担となる上、左右の眼球が一点を見る「輻輳(ふくそう)」の状態になり、眼精疲労が顕著になるという。目に疲れを感じたら、遠くを見るなど意識して目を休ませることが必要だ。
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