米為替監視国リスト入りでウォン高圧力、輸出不振の韓国に追い打ち

 韓国産業通商資源部(省に相当)は1日、韓国の4月の輸出が前年同月比11.2%減の410億ドルだったと発表した。減少幅は1月の19.0%減から、2月に13.0%減、3月には8.1%減へと縮小したが、4月は再び2桁減となった。しかも、主力13品目中11品目で輸出が減少した。こうした中、米財務省は4月29日に発表した半期為替報告で、韓国を「為替監視国リスト」に含めたことで、ただでさえ不振の韓国の輸出にさらに暗雲が立ち込めている。

 韓国はドイツ、日本、中国、台湾などの国・地域とともに「監視国」に指定された。為替観察国は米政府による直接制裁を受ける「為替操作国」よりは1段階低く、特に制裁はないが、米財務相による細かい監視対象となる。今回の報告を受け、ウォンは上昇する可能性が高いが、そうなれば韓国製品の輸出競争力低下が避けられない。しかし、これまでのように為替当局が為替レートの「微調整」を行えば、米政府から報復を受けかねないというジレンマがある。

 米財務相の為替報告は毎年4月と10月に発表されるが、今回は特に関心を集めた。為替の「スーパー301条」と呼ばれる新たな貿易促進法が発効後、初めて発表される報告だったからだ。

 今回の報告の根拠となった貿易促進法は、米国人の怒りを反映している。世界的な金融危機以降、米国の景気回復がとても後れ、中産階級の失業が相次ぎ、下層階級に転落するケースが増えると、米国人はその批判の矛先を為替操作で不公正な貿易を行う国へと向けた。

 米国との貿易で多額の黒字を出している国を狙ったものだが、代表的なのが中国だ。米政府の対応が後手だという非難もあふれている。米財務省はこれまでも「為替操作国」を指定する権限があったが、1994年の中国以降は指定例がなかった。結局、議会は為替操作国指定条件に法律で明確化し、為替操作国を米政府の開発支援や公共事業入札から排除し、国際通貨基金(国際通貨基金(IMF)による監視に含めるなどの制裁を盛り込んだ法案が二大政党の合意で成立させた。

チェ・ギュミン記者
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