福井県、舞鶴ルートをけん制 新幹線「小浜ルート」に北陸は協調を北陸新幹線の未着工区間(敦賀−大阪)で、県などはJR西日本が提案した小浜−京都ルートの実現を求め、政府・与党への働きかけを強めている。通常国会の会期末(六月一日)以降、参院選が事実上始まるほか、国土交通省によるルート調査で半年は議論の進展が見込めないため。北陸三県での連携を模索しながら、京都府を中心に広がりを見せる舞鶴ルートをけん制し、足場固めを急ぐ。 ■勝負の時「これは福井、京都、滋賀の勝負。今、勝負しないと県民に笑われる」。県議会が小浜−京都ルートの年内決定を求める決議案を可決した三月十五日、最大会派の自民党県政会幹部は、こう力を込めた。 決議を踏まえ、県と県議会は四月十三日に中央要請を実施。時間短縮効果や利便性などを理由に、県選出国会議員と小浜−京都ルートで意思統一を図った。県議会は同十八、二十五の両日にも国交省や与党幹部らと相次いで面談した。参院選が近づくと、国会議員の時間は取りづらい。県などは、五月中にも念押しの要請を予定している。 ■勢い増す舞鶴県などが注目するのは、舞鶴ルートを推す与党検討委員長の西田昌司参院議員(京都選挙区)と京都府内の動向。山口や鳥取、兵庫、京都などの四十七市町村でつくる「山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議」は二月、西田委員長に府北部経由での北陸新幹線延伸を求めた。要請書は山陰と北陸の両新幹線を結ぶことを想定し「国益は極めて大きい」と強調する。 府北部七市町の関係者でつくる誘致促進同盟会も三月、綾部市で総決起大会を開き、舞鶴ルートを決議した。 四月十一日の検討委には、内閣官房参与で京都大大学院の藤井聡教授が西田委員長に招かれた。 藤井教授は「小浜−京都間の一部を山陰新幹線の共有区間とみなせる」と発言。事実上、舞鶴ルートを支持した。 ■富山県議会は決議も京都に対抗するため、県議会は北陸三県での共同歩調をにらむ。北陸は、関西と同様に中京とも交流が盛ん。決議には中京方面とのアクセス向上も盛り込み、石川、富山側の理解も得られるよう配慮した。 早く、安くつなぐ観点から米原ルートを決議した石川県議会との連携は現時点で見いだせていない。 一方、富山県議会は三月末、小浜−京都ルートに好意的な大野久芳氏が議長に就任。六月議会では小浜−京都ルートの決議を目指す動きもある。整備新幹線には「我田引鉄」や「政治新幹線」との言葉が付きまとう。福井県幹部は「調査結果を比較すれば、おのずとルートは決まる」と冷静に構えつつ、万策を尽くす。 (山本洋児) PR情報 |
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