麻生太郎財務相は30日深夜、海外市場で円相場が1ドル=106円台と1年半ぶりの円高水準に上昇したことについて「一方的で偏った投機的な動きに極めて憂慮している」と述べた。「(投機的な動きに)必要に応じて対応する」とも明言し、円売り介入も辞さない姿勢を強調した。
羽田空港で記者団の取材に応じた。米政府が29日に発表した報告書で日本の為替政策を監視対象にしたことに関しては「(為替介入など)我々の対応を制限することは全くない」と明言した。
麻生氏は日銀が28日の金融政策決定会合で追加緩和を見送った後に5円程度の急激な円高が進んだことに懸念を表明。今後も「投機的な動きが継続しないように為替市場の動向を緊張感を持って注視する」と述べた。
円相場の急変動に対して実施する円売り介入などの対応は「20カ国・地域(G20)の合意内容に沿う」と指摘。米国を含む各国の理解が得られるとの認識を示した。麻生氏は大型連休中に米欧を訪問する。この間も「電話で話ができるから必要に応じて対応する体制は整えている」と述べた。