諦めていないブスにとって、4月はまたとないビッグチャンス

4月は新年度や新学期の始まり。今月から新生活が始まった方も多いことでしょう。新しい環境で「新しい自分になりたい」と、イメチェンに励んだ経験はありませんか? 今までの自分からイメージなどを変えて、変身することを「デビュー」といいます。4月は、デビュー願望が高まりがちな時期。「ブスに厳しいブス」のカレー沢薫さんが、自らの経験に重ねて4月に大量発生するブスを書き綴ります。4月に見る、ブスの生態とは……?

諦めているブス・諦めていないブス

ブスには二種類のブスがいる。と言いたいところだが、ブスともあろう者がそんなにコンパクトにまとまるわけがない。発見されているだけでも3億種は存在し、他にも未開の秘境に住むブス、未確認飛行ブスなど、まだ我々の知らないブスが多数存在するのだ。
その、星の数ほどあるブスのカテゴリの一つとして「諦めているブス・諦めていないブス」というのがある。

この諦めているブスというのは、決して、ブスであることを受け入れているというわけではない。全然受け入れられていないのだが、目の前にあるピザポテトを食うのを我慢するくらいなら、ブスのまま、もしくは死を選ぶブス、つまり美しくはなりたいが、そのために努力するぐらいならこのままでいいという、動かざること山の如きブスである。

そして後者は、ブスであることを受け入れられず、実際に行動を起こすブス。新しいダイエットや美容法に飛びつくスピードなら誰にも負けない、疾きこと風の如きブスである。

武田信玄もこんな例えに使われるぐらいなら、風林火山とか言わなきゃ良かったと思っているかもしれないが、当然ブスカテゴリの中には「武田信玄似のブス」もいるので、同ジャンルのよしみで見逃してほしい。

この諦めていないブスにとって、4月というのは、またとないビッグチャンスだ。もちろん花粉症シーズンということで、B(ブス)フェイスをマスクで隠せるからという意味ではない。4月は、デビューの月だからだ。
デビューとは、今までのイケてなかった自分をなかったことにして、新天地でリア充として生まれ変わることである。しかし、このデビューの成功率というのは如何ほどなのであろうか。むしろ、ブスが生まれた時に必ず持っているという、黒の書に新たな1ページが加わることの方が多いような気がする。

志が高ければ高いほどブス度も上がる

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ブス図鑑

カレー沢薫

「ブスに厳しいブス」と自負し、ブスのことになると、どこまでも熱くなりすぎるカレー沢薫さん。この連載コラム「ブス図鑑」は、漫画『アンモラル・カスタマイズZ』発売時の販促として「1日1ブス」を掲げ、読む者に涙と笑いを与えた同名の特設ブログ...もっと読む

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コメント

junsama1207 このコラム、早く書籍化してほしい。 本当に面白い。 20日前 replyretweetfavorite

mariko0002 カナブンに生まれ変わる人生…か…。 21日前 replyretweetfavorite

somaelley マスカラで目をブッ刺すって最高にロックだな 21日前 replyretweetfavorite

NO_JUNK >動かざること山の如きブス うん >疾きこと風の如きブス うん >武田信玄似のブス うん? 21日前 replyretweetfavorite