勇者のクズ

作者 ロケット商会

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251人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

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 テンプレと王道の違いはどこだろう? 読みながらついそんなことを真剣に考えてしまった。ハイテンポで進むストーリー、派手で痛快なアクション。ダークでシビアな世界観。斜に構えた主人公と、彼を慕う美少女たち。ライトノベル、それも流行り物の要素をたくさん持っている。それでいて少しも安っぽくない。
 主人公のヤシロがとてもいい。自分や仲間のことをどうしようもないクズの人殺しだといい、口が悪く、粗暴で、性格はねじまがり、安っぽいチンピラのように振る舞う。だけど芯のところに捨てきれない理想を持っている。お人好しで、熱いところがあり、だけどそれを自分では認めたがらない。
 読んでいて胸の熱くなる作品。

@qwertyuさんがに★をつけました

akra-sheviaさんがに★をつけました

@Ham1212さんがに★をつけました

山葵さんがに★をつけました

@nazonoXさんがに★をつけました

@rano_ranoさんがに★をつけました

@goroさんがに★をつけました

@ccf261さんがに★をつけました

★★★ Excellent!!!

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 スペンサー、ニール・ケアリー、あるいはウルフガイといった作品が好きな方におススメです。
 ドラクエ的勇者の再解釈物は数多くあれど、そこに現代の騎士たるハード・ボイルドヒーローを絡めた所がステキでした。
 また一人称でアクションを描く時にしばしば難しくなるテンポの問題を、主人公の能力が綺麗に解決しているのがスマートだと思いました。
 それと西洋剣術のバインドからの押し引きや刃の滑らせ方といった妙味が説得力十分に描かれており、そこも痺れました!

@kyuugoさんがに★をつけました

@baqpadさんがに★をつけました

@Kyosukeさんがに★をつけました

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@poi35さんがに★をつけました

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@ZUDONさんがに★をつけました

@medaka8120さんがに★をつけました

@mirin323さんがに★をつけました

@EN_KAIさんがに★をつけました

@saibouさんがに★をつけました

★★★ Excellent!!!

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 主人公の能力も相まって動きが割と細かく描写されており、動きの感じられる小説です。
 小説には、小説として読んでも面白いけど漫画になった方が、あるいはアニメになった方が面白いだろうな、と思えるものも多いですが、この小説は小説の描写量と脳内のアニメーションを組み合わせた状態が一番楽しめるタイプだと思います。つまり、普通に面白い。

@mynt_kakuyomuさんがに★をつけました

@kaillebidanさんがに★をつけました

ジョニーさんがに★をつけました

@DAT00さんがに★をつけました

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@palegrayさんがに★をつけました

★★★ Excellent!!!

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本作は、「エーテル知覚」と呼ばれる感覚を用いて異能を操る人間たち(これを「魔王」や「勇者」と呼ぶ)が描き出す、戦いと希望の物語である。
ただし、ここで描かれるのは、たいへん硬派で地に足の着いた戦いと、あまりにも軟弱で浮ついた理想論じみた希望である。
「エーテル知覚」には、使用者本人にしかその正体を知覚できないという特性がある。逆に言えば、異能の正体を知られてしまうことは戦士として致命的な弱点となる。こうした設定から生まれる彼我の異能の探り合いはもちろんのこと、武器術や格闘術から口八丁によるブラフまで、戦闘に関する知略を広く深く用いた骨太のバトルをわれわれ読者は堪能できる。
本作の主人公である「勇者」、《死神》ヤシロは、クズである。勇者以外の何者にもなれなかった社会不適合者、ケチなチンピラそのものであり、それを取り巻く友人たる勇者たちも、彼と同様に何らかの破綻を抱えた者しかいない。ヤシロは己がクズであることを大いに自覚しつつ、しかしクズなりのプライドを胸に抱いて日々を生きている。
そしてわれわれ読者は、ヤシロという勇者が帯びる破綻者ゆえの悲哀を直視せずには居られない。
「勇者なんてのはクズのやる商売だ」という言葉をヤシロはしばしば口にする。そして、ヤシロ以外の様々な勇者のありさまを目にするわれわれ読者は、彼の言葉を「全くもってその通りだ」と思う。なぜならこの作品に出てくる勇者たちは本当に尽くクズばかりだからだ。「勇者とはクズのやる商売である」という当たり前の事実を、ヤシロはやはり当たり前の事実としてわれわれに提示しているにすぎない。
そして、だからこそ、最終盤の彼が放つとある言葉に、われわれは胸を打たれずには居られなくなる。勇者以外の何者にもなれなかったヤシロが語る希望を、少なくとも私は笑うことができなかった。ケチな勇者が見せてくれた意地が、プライドが、私の目には最高に格好…続きを読む

クオさんがに★をつけました

@Hiro2088さんがに★をつけました

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@hitotosiさんがに★をつけました

@formeさんがに★をつけました

富士普楽さんがに★をつけました

@Pensan3さんがに★をつけました

@ryuuta1117さんがに★をつけました

Good!

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「俺はクズだ」って言ってるやつはテスト前に「俺ぜんぜん勉強してねーわ」って吹いてるやつくらいに信用できないと思っていて、何でかってそいつら大体、ちょっとプラスなことをしたときに「クズのくせにやるじゃねーか」って思われたい、期待値を低くしておけばどんなことをしても褒められる!って打算して「クズだよ」ってプラカードをぶらさげて歩いてるファッションクズなんだよな。
とくに異世界もの中心のネット小説で主人公の性格が悪いやつ、なんだかんだで善いことをしてるしなんだ捻くれてるけど善性じゃん可愛げあるじゃん別に許せるじゃんみたいなのが多い。そういうの見るたびに俺は心の中でそっと「こんなんクズの安売りだわ」って言ってきたし半額シールをそいつに貼ってきた。
けど勇者のクズの主人公はプレミアがつくレベルに高値のクズ。
強くて冷静で機転がきいて、相手の動きも仲間の動きもよく見て戦況をコントロールできる、やると決めたことをやり通す意志力もある、無敵ではないんだけどどんな状況でも頼れる高汎用性の能力も持ってる、憧れられてもおかしくないスペック、されど間違いなくクズ。心の底から友達になりたくないと思った。こんなのが隣に居たら正義を飾って自分の価値をアピールするとかできないよ。こっちのがクズだけど頼れるもん。

本編は可愛い勇者候補少女三人組がそんなプロのクズに「クズとはなんたるか」を体験学習で教わっていくお話。勇者はクズなので事実上この世界における「勇者とはなんたるか」というのが分かるようになっている。敵の魔王についてもいろいろと分かる。勇者と魔王と聞いて夢いっぱいでやってきた読者は吐きそうなほどに濃い泥臭さで描かれるこの世界の現実に「うわあ……」ってなることうけあい。こいつらファンタジー用語でVシネマやってるよ、とドン引きするかもしれない。
魔王に《卿》がついてるとか能力が《エーテル知覚》って名前…続きを読む