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だめりと

ダメ人間の生活記録。

本気で泣いたことがない

雑記

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本気で泣いたことがない。

 

僕は涙もろい方である。小説、映画、ドラマ、アニメ。

その中でもお涙頂戴ものは大体泣く。あざといなあと心の中では

思いながらも結局泣く。ベタなシーンでもBGMの力で泣く。

不意にかかる挿入歌とか反則だよ。

 

ゲームでも結構泣けるゲームって多いんだよね。

パッと思いついたのはドラクエ7レブレサックの村の話。

これって本来は鬱な話で人によっては全然泣けないと思うんだけど、

この村の神父様がね、本当に良い人過ぎてもう涙ボロボロだった。

ボス前で突然フリーズした時も泣いたけど。

 

ちょっと話がずれてしまった。

僕が言いたいのは、本気で泣いたことが記憶にない、ということだ。

まあ映画とかゲームで感動して泣くのも本気といえば本気なんだけど、

どうにも泣かされているというか、物に頼っている感は否めない。

 

落ち込んでいる時に人に優しくされて号泣する」みたいな

自分自身で体験した出来事に対して泣くこと、これがないのである。

 

子供の頃は結構泣き虫だったので、泣いていた記憶も多少残っている。

親の財布から漱石をくすねたのがバレて、親父に全力タイキックを

かまされて泣いたりとか、あとは友達と「栄養ドリンク」と称して

ポカリスエットに尋常じゃない量の食塩を入れて遊んでいた時に、

試しに飲んでみたら胃が受け付けなくて泣きながらゲボを吐いたりとか

そういう記憶はある。

 ただこれらは、物理的な尻の痛みや塩味のキツさによる生理反応的なもので、

本気泣きとは呼べない気がする。いやある意味では本気で泣いているのだが。

 

成人してからは、映画やらゲームやらを除くと、泣いた記憶が全く無い。

事なかれ主義なので喧嘩もほとんどしないし、感情的になることも随分

減ってしまったからだ。

 

僕は涙もろいけど、やっぱり本気で泣いたことは無いのかもしれない。

そう思ったけど、思い出した。人生で1回だけ、本気で泣いたことがあった。

 

中学時代

 

中学生の時に親友だったSくん。家が近所でお互いゲームが好きだったので、

ほぼ毎日家に遊びに行き、いつもプレステ2の格ゲーで遊んでいた。

 

ある日、いつものようにSくんの家で遊んでいると、Sくんが突然

神妙な面持ちになった。僕は不思議に思って尋ねてみると、

「俺、もうすぐ死ぬかもしんない」Sくんはこう言ったのだ。

理由を聞くと、心臓だか肺が病気に冒されていてそれがもう

末期状態であり、いつ死んでもおかしくないのだと言う。

 

それを聞いた瞬間、あまりにも話が唐突過ぎて頭が真っ白になった。

そして「死」という言葉を認識した瞬間、目から涙がボロボロ溢れ出た。

止めようとしても止まらない。Sくんの家のじゅうたんが

涙でビショビショになった。Sくんも泣いていた。僕達はずっと泣いていた。

 

僕が本気で泣いたのは、これだけだと思う。

 

エピローグ

 

この話には続きがあって、結局Sくんは死ぬことはなかった。

どうやら心臓の病気というのはSくんの勘違いだったらしい。

別の病気を間違って捉えたのか、ビートたけしがやっていた

医学の番組を見て自分がやばい病気なんじゃないかと不安になったのか、

真相はよくわからない。まあ、今考えてみると心臓の病気なのに

入院とか通院とか全くしてなかったしね。

それでも当時はSくんが病気から快復したと思って喜んでいた。

 

その後、高校に入ってからSくんは僕とは違う方向性、平たく言うと

ヤンキー方面の道に進んでしまったため、遊ぶことは少なくなった。

それからSくんとは疎遠になってしまい、久しく会っていない。

 

Sくんは今も元気にオラオラしているのだろうか。

 

 

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