日本マイクロソフト社の西脇資哲著『エバンジェリスト養成講座』を僕が手に取った理由は、プレゼン力を高めるためだった。
こう聞いて「おれは関係ないなあ」「青臭い努力なんかしてご愁傷様だな」とか思う人は、ネット社会に毒されてますよ。
外資だと顕著だが、ビジネスパーソンは数少ない上司以上の役職が集まるミーティングでのプレゼンの出来不出来が昇進を大きく左右する。普段の仕事ではなく、ここ一番で「良い印象」を高い役職者に持ってもらうことが昇進昇級には必須なのだ。普段の仕事が多少「良く」なくても、上に「良い印象」をもたせれば高い確率で偉くなれる。
外部顧客に対しても、プレゼン力を高めることは最重要事項だ。これも「良い印象」を持ってもらえれば、営業だったら売上につながる可能性をつかめるし、開発だったら共同研究や導入/導出のきっかけになる。
《目次》
エヴァンジェリストとは
エヴァンジェリストとは、ひとことで言うと、「お客様やパートナー様に必要とされる最新のテクノロジーをわかりやすく具体的に説明する仕事」です。私が所属するマイクロソフトのほか、アップルやアイ・ビー・エムなど、外資系のIT企業には「エヴァンジェリスト」という正式な肩書きがあるのです。
つまりは、一般向け技術系プレゼンのプロのことだ。
職名の由来となった単語「evangel」は「福音」と訳される。語源はギリシャ語の"ευαγγελον"(エウアンゲリオン=良き報せ)から。(引用元:はてなキーワード)
顧客に新しい技術という福音をもたらすのがエヴァンジェリストで、人類に新しい時代という福音をもたらすのがエヴァンゲリオンというわけだ。
フラッシュプレゼン
1分の間にこれだけ伝えられるプレゼンって、ほかにはちょっとないんですね。フラッシュプレゼンというのは、シーンを間違えなければ、ものすごい効果を発揮します。
セリフと連動して大きい文字や絵がパッパッと数秒で次のページに切り替わるプレゼン、見たことありません?
あれがフラッシュプレゼン。西脇さんは「だいたい1枚のスライドを2秒から5秒きらいの間でこなしていく」そうです。使いどころは、記者発表、余興や懇親会などに適しているとのこと。
エレベータートーク(経営トップにエレベーターで会ったときに移動中の30秒で今自分がやっていることを伝えられる)が重要だといわれているが、フラッシュプレゼンは経営トップ層への説明にも向いている。
スライドをつくるときの注意点
変化は必ず左から右です。実際にお見せしましょうか。まず時系列の変化ですね。時系列の変化は、必ず左から右です。
このような細かいスライドの注意点も多く載っている。社名ロゴが配置してあるヘッダー/フッターに図形や文字をかぶせない、とか言われれば当然だが、結構やっている人がいるのではないだろうか?(ヘッダー/フッターにかぶっていると汚い印象)
本著は全ページ通して西脇さんのスライドを見せながら語っているスタイルなので、とても分かりやすい。
「新」もある!
劇場版エヴァンゲリオンを意識したのか、していないのかは僕には伺い知れない。