レスター優勝で賭け屋も大慌て、払戻金は総額23億円に
【AFP=時事】優勝オッズ5000倍と、超大穴としてシーズン開幕を迎えながら、イングランド・プレミアリーグ制覇にいよいよ王手をかけたレスター・シティ(Leicester City)は、英国のブックメーカー(賭け屋)に「前代未聞」となる総額1500万ポンド(約23億円)の払戻金を準備させている。
チームは3節を残して2位に勝ち点7差をつけており、早ければ、1日のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)戦でクラブ史上初の優勝が決まる。
ブックメーカー大手「ウィリアム・ヒル(William Hill)」の広報担当、ジョー・クリリー(Joe Crilly)氏はAFPに対し、「当社の払戻金は300万ポンド(約4億6000万円)、業界全体では1500万ポンドを想定しています」と明かした。「こんな事態は、まったくもって前代未聞です」
「『普通の』シーズンであれば、プレミアリーグの優勝チームに関しては、トントンになることを見込んでいたはずです」
「チェルシー(Chelsea)やマンチェスター・ユナイテッドが逃げ切るシーズンなら、すでに賭けを締め切っていたでしょう」
「しかしレスターは、ずっと『注目の的』になっていて、賭ける人がどんどん増えていきました。この結果、われわれは現在、220万ポンド(約3億4000万円)の損失を見込んでいます」
■5000倍で賭けたのは25人
レスターの優勝オッズは、サンダーランド(Sunderland AFC)、ウェストハム(West Ham)を下し、開幕2連勝を飾った後、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)、ボーンマス(AFC Bournemouth)と連続で引き分けた昨年9月、シーズン開幕前の半分にあたる2500倍になった。
10月初め、レスターはノリッジ・シティ(Norwich City)に勝利した時点で、オッズが5000倍に戻った。一方で、マンチェスター・シティ(Manchester City)が優勝候補の筆頭とみなされ、ブックメーカーは同チームの優勝オッズを4/6(1.66倍)に下げた。
しかし10月中にレスターのオッズは500倍になり、アウェーでニューカッスル(Newcastle United)に勝利した11月下旬の試合後は、一気に50倍にまで下がった。
年が明けても勢い止まらぬレスターは、2月にリバプール(Liverpool FC)とシティに連勝。ウィリアム・ヒルも、ようやくレスターを優勝候補の一角とみなし、オッズを7/4(2.75倍)にした。
3月にはイーブンマネーベット(2倍)となり、同月のクリスタルパレス(Crystal Palace)戦で勝利した後は、一気に8/15(1.53倍)まで下がった。
先月25日の試合で、2位トッテナムがウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(West Bromwich Albion、WBA)と引き分けた後、レスターのオッズは1/20(1.05倍)という申し訳程度のものになり、ブックメーカー各社は損失を最小限に抑えようと奔走している。
優勝オッズ5000倍の時点でレスターの優勝に賭けた人は少数だったものの、十分にブックメーカーを苦しめていると、クリリー氏は語った。
「5000倍の時点で賭けたのは25人、総額58ポンド(約9000円)でした。何人かはキャッシュアウト(結果を待たず現在価値で払い戻すこと)を選択し、また何人かはスプリット(一部をキャッシュアウトして残りをレスターに賭け続けること)を選びました」
「これらのベットだけでも、わが社は35万ポンド(約5400万円)を準備しなければならないのです」
【翻訳編集】AFPBB News
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