水俣病の公式確認から60年 全面的な解決は見通せず

水俣病の公式確認から60年 全面的な解決は見通せず
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公害の原点と言われる水俣病が公式に確認されてから、1日でちょうど60年となります。今も新たに患者としての認定や、救済を求める人が相次いでいて、水俣病を巡る問題は全面的な解決が見通せない状況が続いています。
水俣病は60年前の昭和31年5月1日、水俣市の医師が突然歩けなくなるなどした姉妹の入院を保健所に届け出た日が公式確認の日とされています。
熊本県や鹿児島県は、水俣病の認定の幅を事実上広げる3年前の最高裁判所の判決のあと、一時中断していた認定審査を去年までに再開させました。
昨年度末までに認定された患者は、熊本県で1787人、鹿児島県で493人の合わせて2280人となる一方、新たに認定を求めて審査を待つ人は、熊本県で1264人、鹿児島県で853人の合わせて2117人にも上っています。
さらに、いわゆる未認定患者に対する国の救済策の対象からはずれた1000人以上が国や県、それに原因企業のチッソに慰謝料などを求めて裁判を起こしていて、水俣病を巡る問題は全面的な解決が見通せない状況が続いています。
1日に予定されていた水俣市などが主催する慰霊式は、熊本地震の影響で延期されることになりましたが、この慰霊式に参加しない患者団体主催の独自の慰霊祭は予定どおり行われます。