NHK関連の報道に対する見解 NHK information
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このページは、NHKをめぐるマスコミ各社の報道に関するNHKの主張や見解を、視聴者の皆様にお伝えするためのページです。

災害対策本部会議での会長発言に関する報道について
平成28年4月27日
 
 4 月23日以降の新聞紙面で、熊本地震のNHKの災害対策本部会議での籾井会長の発言が報じられています。この発言は、熊本地震に伴う原子力発電所への影響について、住民の不安をいたずらにあおらないよう、従来どおり、事実に基づき正確な情報を伝えるという趣旨のものであり、原発報道全般のスタンスについて述べたものではありません。

 NHKのニュースや番組は、報道機関としての自主的・自律的な編集権に基づき、取材・制作しており、今回の熊本地震も、24 時間の緊急報道体制をとって、防災・減災報道を継続するとともに、被災者の方々の支援に向けた放送に努めています。大きな地震が発生した際には、原発の安全に対する視聴者・国民の関心に応えるため、電力会社や規制当局が公式に発表する前から取材を開始し、最寄りの震度や周辺の放射線量のモニタリング状況に加えて、原発の運転状況、設備などの異常の有無についても報道しています。また、原発の運転に反対する動きなども含め、多角的にお伝えしています。
 発表などの内容や根拠に疑問がある場合は、さらなる取材や検証を行い、放送していくことは言うまでもありません。

 今回の言及は、あくまでも熊本地震に関連したものであり、原発報道全般のスタンスについて述べたものではないことを、あらためて明確にさせていただきます。
 NHKは、放送ガイドラインに基づき、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されず、放送の自主・自律を堅持していきます。


NHK関連団体の土地取得に関する毎日新聞等の報道について
平成28年1月7日
 
 昨年(平成27年)12月8日付の毎日新聞朝刊に「NHK不適切土地購入計画〜経営委に諮らず〜」という見出しの記事が掲載されました。また、この記事をきっかけに、その後も週刊誌等で、NHK子会社による土地取得の検討過程で、放送法にかかわる重大な問題があったかのような記事が相次いで掲載されています。しかし、これらの記事には、重大な事実誤認があります。
○土地の「落札」はしていません
 事実誤認の1点目は、「子会社がすでに350億円で用地を落札」という記述です。NHKの子会社が「競争入札で落札」した事実はありません。実際には、土地取得の交渉を進めるための優先交渉権を得たものです。優先交渉権は、期限を定め、購入するかどうかも含め検討し、交渉することができるというものであり、この時点では、購入契約の具体的手続きにも入っておらず、購入することを何ら決めたものではありません。
○関連団体の土地取得は経営委員会の議決事項ではありません
 2点目は、一連の報道では、今回の土地取得に関して経営委員会に諮られていないことなど、手続きに問題があったかのように記されていることです。しかし、NHK本体においては、放送法第29条で、「重要な不動産の取得」は、経営委員会の議決事項となっていますが、子会社の土地の取得は、経営委員会の議決事項ではありません。したがって、経営委員会の議決がないことをもって、手続きに瑕疵があったかのような記述は誤りです。そもそも優先交渉権を得て、これから購入するかどうかも含め検討を開始しようという段階であり、進め方に問題があったという指摘は当たりません。
 また、これらの報道の中で、「銀行側の求めに応じ、計画に責任を持つとする文書も提出した」とする記述があります。しかし、そのような文書は存在しません。これらの点については、公表されている監査委員会の調査報告書によっても裏付けられています。NHKが放送法に反するような行為をしている事実は一切ありません。
 今回の土地取得については、NHK内部で検討した結果、正式な手続きに入ることを取りやめています。しかし、一連の報道は、誤った事実を前提にしたものであり、NHKの信頼を損ないかねないものだと考えています。NHKとしては、こうした報道に対して厳重に抗議し訂正を求めているところです。
 NHKは、今後も放送法に則って、引き続き、みなさまから信頼されるよう業務運営にあたって参ります。
(以上)


月刊誌9月号の記事について
 
 一部の月刊誌9月号で、現在地で建て替え予定のNHK放送センターについて、「籾井会長は現在地でとどまることになった理由を説明していない」と伝えています。
しかしNHKは、今年6月に経営委員会の議決を頂き、新放送センターを現在地で建て替える方針を籾井会長が公表した際、「現在地は地盤が強固な上、都内主要箇所へのアクセスが便利で、NHKの使命である防災・減災報道の拠点としてふさわしい場所であること。また、敷地が8.3ヘクタールあるため今後も一体整備が可能で、災害発生時にオールNHKで業務に取り組む体制をつくりやすく、新サービスを展開するうえでも報道や制作など部門を超えた知恵やパワーを結集することができる」と明確に説明しています。新放送センターは、国民の生命・財産を守るためいついかなる時でも放送を出し続けることのできる強靭な建物にするとともに、スーパーハイビジョンやインターネットなどの新たなサービスにも対応できる機能を備えたものにしたいと考えています。


8月8日付けの新聞報道について
 
 平成27年8月8日付けの毎日新聞朝刊に、建て替え予定のNHK放送センターをめぐって「NHK建設3400億円批判」との見出しの記事が掲載されました。記事では、東京・渋谷区の現在地に建設が決まった新放送センターについて、NHKが「建設費を3400億円と見込む」と伝えています。
 しかし、NHKが新放送センターの建設費を、現時点で3400億円と見込んでいる事実はありません。 NHKは、今年6月に新放送センターを現在地で建て替える方針を公表した際、建設費については「これから1年かけて建設基本計画をまとめる中で算定しなおす」と明確に説明しています。このため今回の記事は、視聴者、国民に誤解を与えかねないと言わざるをえません。
 3400億円という額は、以前、他の場所への一括移転を前提に、平成26年度予算で建て替えに備えた資産を積み立てるにあたって、在京民放各社の新社屋の建設コスト等を参考に一時、想定したものです。NHKは波の数(テレビ4波、ラジオ3波)が民放他社よりも多く、国際放送も実施していることから、民放と比べて床面積、スタジオ数、放送設備等の規模が大きくなった事情があるほか、3400億円のうち1500億円は機械設備経費であり、建て替えをしなくても今の設備の更新時期がくればかかる費用でした。
 もともと参考として算出した額である上、現在地に建て替えることを決定したために前提条件も違ってきており、NHKは現在、建設費を一から検討しているところです。
 放送センターの建て替えは、受信料で支えられる公共放送・NHKとして、国民、視聴者のみなさまのご理解を得つつ、効率的に進めなければならないと考えています。


2月23日付けの新聞報道について
 
 平成27年2月23日付けの毎日新聞朝刊の社説において、「国の広報機関ではない」との見出しを掲げ、NHKが、あたかも国の広報機関になってしまうとする報道がなされています。また同日の同新聞夕刊でも「政府の代弁放送になるのか」と題した特集記事が掲載されました。
 しかし、言うまでもなく放送法の下で運営されているNHKが、そうした政府の広報機関になるはずがなく、今回の記事は、視聴者、国民に誤解を与えかねない記事だと言わざるをえません。
 もとより放送法には「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」と第1条に明記されています。また同じ放送法には「何人からも規律されず」「できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」とも記されています。
 このことは、籾井会長自らが、これまでの記者会見や国会答弁などで、繰り返し述べているところです。また、事実として、NHKは、この放送法に則って現在も、これまでも運営されており、いささかもこの姿勢が揺らいでいることはありません。
 実際、昨年12月の会長定例会見で、籾井会長は国際放送に関連して「(NHKには)より客観的な報道への期待がある。国の宣伝に傾斜するのではなく、国内の放送と同様に十分心がける必要がある」と自らの言葉で述べています。また今年1月の記者会見でも、メディアの在り方を問われたのに対し「事実に基づき公平・公正、不偏不党、いろいろな意見についても言及する。何人からも規律されず自主自律であること」と会長自らの言葉で述べているところです。
 今回のいわゆる従軍慰安婦に関する会長会見の発言については、繰り返し説明している通り「慎重に検討すべき」だということを述べたに過ぎず、番組の制作にあたっては、自律した編集権の下、公平・公正、不偏不党を貫くことにまったく変わりありません。
 同時にNHKの放送は、分掌した編集権の下で、放送現場が主体的に番組を提案し、制作し、放送しています。籾井会長就任から一年、この間も、これまでと同じ番組制作の仕組みの中で、放送現場が主体的に、さまざまなテーマを選び、さまざまな角度から取材し番組制作にあたり、さまざまなニュースや番組をお伝えしてきています。こうした放送実績が事実だと考えています。
 こうした方針は、この先、いささかも変わるものではなく、NHKは、放送法の下で何人からも規律されることなく、公共放送としての使命を確実に果たして参ります。


週刊新潮の記事に対する当協会の見解について
 
 2015年2月5日発売の週刊新潮に「NHKスペシャル『知られざる大量放出』の捏造箇所」と題する記事が掲載されました。
 しかしながら、当該記事が指摘する「捏造」は全くの事実誤認であり、当該番組に「捏造」は一切存在しません。
 番組タイトルにもなっている「知られざる大量放出」についても、2011年3月15日午後以降の放射性物質の放出が全体の75%に上るという分析結果は、当該番組の放送まで、一般には知られていなかった事実であり、その他にも当該記事が「捏造」と指摘する点は、すべて全くの事実誤認です。
 NHKは、当該記事が出るより前に、新潮社に対して、当該番組の内容が正確で事実に基づいていることについて、根拠を示して詳細な説明を文書にて行いました。それにもかかわらず、一方的に「捏造」との見出しを立てて記事を掲載したことは極めて遺憾です。
 NHKは、週刊新潮に対して、速やかな謝罪と訂正を求める抗議文を送っています。


キャスターの交代をめぐる報道について
 
 NHKは、2月3日、平成27年度番組の新しいキャスターを発表しました。発表前から一部の週刊誌や写真週刊誌などで、特定のニュース番組のキャスター交代について、事実ではない報道がありました。NHKは、公共放送として、放送の自主・自律を堅持しており、今回のキャスター選考にあたっても、例年と同じように協会内の委員会の議論を経て、所定の手続きによって決定しました。番組キャスターの選考にあたって、当然ながら、政治が関与することは全くありえず、NHK独自の判断で選考しています。


番組制作過程に関する写真週刊誌の報道について
 
 写真週刊誌2月3日号の中で、NHKの番組制作過程において、官邸からの干渉があったなどとする記事が掲載されましたが、そうした事実はありません。NHKは公平・公正、不偏不党の観点から独自の編集判断で番組制作を行っています。公共放送として、放送の自主・自律を堅持しており、番組の制作過程において政治的な干渉により、番組制作や放送が左右されることは一切ありません。


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