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7&i鈴木会長の引退からomni7の明後日を考える

2016-04-08 10:00:00
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クロサカタツヤ / KUROSAKA, Tatsuya

インターネットや通信、放送サービスが大きく変容する中、産業、政策、技術開発等の最新動向や、情報通信サービスと社会の関係性を考える上での「新たな視点」を、さまざまな分野でコンサルティング活動をしているクロサカタツヤ氏がお届けします。
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7&iホールディングスの鈴木会長が辞意を表明されたそうです。


セブン会長、引退会見で見せたお家騒動の恥部

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/040700304/?P=1


会見に同席された記者の方たちによると、ほぼ全文起こしと考えて間違いないそうなので、詳細はこの記事を読んでいただくとして。


カリスマ経営者が去ることで魔法が解けると、とりあえずIT文脈では遠からずomni7をdisる記事や物言いが溢れそうな気がします。


なので先にdisっておきますね(ひどい)。


いやあれ本当はものすごいポテンシャルがあるってのは、誰しもが分かってると思うんです。だとしたら、何が足りなかったのか。


ぼくは、投下したカネが全然足りないと思ってます。つまり本気度。


報道だと「1000億ガー」みたいな数字が踊っていましたが、たぶんそれも盛っている数字なので、そこまでは出していないと思います。


しかし、仮に1000億円だったとして、投資額として全然足りないです。言葉を選ばずに言えば、「ITナメてんの?というか反対にリテールナメてんの?」みたいな。


7&iの売上ってどんくらいでしたっけ?そんでもってバリューチェーンとサプライチェーンの、とりあえず7&iの前後だけでもいいんで、その波及効果を考えたら、どれくらいの経済規模になりますかね?


ということを考えれば、すっごい単純な、マルチプルにもなってない、アナロジー的な比較による計算ですけど、年間3-4000億円くらいを3-4年くらい溶かさないと、全然ダメじゃないかなーと思うんですね。


あの投資規模と事業の進め方を見て、「正直アマゾンとか、さらにいえば楽天とか、格下だと思って全然ナメてるでしょ、やっぱり」と考えていました。


なので、その当時にしたお客さんとの雑談では、そんな話をしては「クロサカさんは相変わらず手厳しいなー」と笑われたものです。でもちゃんと15分くらい考えて計算すれば、すぐ分かることのはず、なんですけどね。


だって、中堅デパートグループだって、普通にヒトケタ兆円前半くらいの売上があるわけですよ。いわんや7&iですからね。


そう考えれば、正直それでも全然足りないかもしれない。でもぼくはコンサルさんなので、とりあえず乗数効果とか規模と経験の経済とか、そういうコンサルさんが好きそうな分かりやすい経済学的テクニックを駆使したハッピーなトークでウェーイってしておきたいので、とりあえずそれくらいの数字で、ニコニコと篠沢教授にベットしたいと思います。


もし現状規模のIT投資でオムニチャネル戦略を続けるなら、たとえばデパ地下グルメをお近くのコンビニでお取り寄せ、みたいな「狭くてそこそこお金の取れるところ」に絞り込んで、粛々とnanacoを太らせるくらいにしかならないんじゃないかと、そんなことを思います。


そして、そういうところにも、経営者の高齢化の弊害というのが、出てしまっているのかなあ…という気がします。冒頭に紹介した記事を読んでいただくとお気づきと思いますが。


クビにされそうになった井坂社長が58歳、それ以外の登場人物は、82歳、81歳、77歳、91歳、ですよ。井坂社長のマンションのローンがマイナス金利で軽くなるかもしれないこと、それ以外の方々はおそらく年金を受給されていないだろうということ、それだけが私たち現役世代にとっての福音です。


さておき、こんなおちゃらけた記事を書くだけでなく、これはちょっとIRの読み解きでもやって、ちゃんとケーススタディした方がいいかも分からんですね。


※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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