アフガン病院誤爆、戦争犯罪に当たらず
アフガニスタン北部で昨年10月に42人が死亡した病院誤爆で、米国防総省は29日、最終調査結果を発表した。「人為的ミスと機器不良などが重なった」のが原因だと結論付け、空爆に関わった特殊部隊員ら16人を処分したと明らかにした。隊員らは病院を空爆していることに気付かなかったとして、戦争犯罪には当たらないとした。
病院を運営していた緊急医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は29日、米軍の調査だけでは満足できないとして、あらためて「公平で独立した調査」を求めた。
アフガン駐留米軍を指揮する米中央軍のボーテル司令官によると、当時、米軍はアフガン治安部隊と共に数日間にわたり旧支配勢力タリバンと地上戦を継続。航空支援のため緊急発進した攻撃機は空爆対象を十分把握しておらず、機器の不具合で病院など「攻撃禁止地域リスト」を受信できなかったことなども合わさり、タリバンが支配する建物に近い病院を誤って攻撃したという。
MSFは29日に発表した声明で「なぜ攻撃が中止されなかったのか理解できない」と疑問を投げ掛けた。誰も軍法会議にかけられず、結果の重大性と比べ「処分が軽すぎる」と批判した。
AP通信によると、爆撃で左目と左腕などを失った看護師の男性(25)は「受け入れがたい。私たちや遺族の目の前で裁判が開かれるべきだ」と不満を表明した。(共同)