新幹線には「のぞみ」や「ひかり」、「こだま」などの名称がある。名称をめぐってはにはしっかりとした「ルール」と「意味」があるのだが、お隣の中国では高速鉄道の名称をめぐってちょっとした混乱が起きているようだ。

 中国メディアの中国江西網はこのほど、中国各地で高速鉄道に命名する動きがブームとなっていることを伝える一方、命名に明確なルールがなく、利用客の混乱を招いていることを伝え、「めちゃくちゃな名前を付けるのは止めろ」と批判した。

 記事は、中国高速鉄道の命名は高速鉄道の市場化の一環であり、命名権を販売することで収益を増やす目的があると伝える一方、命名において現在は明確なルールがないことを示唆したうえで、似たような名前の高速鉄道が増えていると指摘、「思いのままに命名させてはいけない」と指摘した。

 新幹線の「のぞみ」や「ひかり」、「こだま」といった名称は、JR東日本と東海道新幹線では違うものの、速度やタイプ別、さらには目的地別など明確なルールのもとにつけられている。つまり、名称を見れば各駅停車なのか、どこに向かうのかが、その役割が分かるためややこしさがないということだ。

 中国高速鉄道の命名権を獲得した企業は当然、自社の名前やそれにちなむ名称を高速鉄道に与えることになるが、それでは乗客の混乱を招くことは必至だ。記事は、新幹線などの命名ルールや原則を紹介したうえで、中国高速鉄道も公共交通機関として原則を守るべきであると主張。乗客の誤解を招くような命名を許してはならないと指摘している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)hulv850627/123RF.COM)