麻生副総理 急な円高の動きをけん制する考え強調

外国為替市場で円高ドル安が急激に進んでいることについて、麻生副総理兼財務大臣は、ドイツなどへの訪問を前に先月30日夜、記者団に対し、「一方的で投機的な動きがみられ、極めて憂慮している」と述べたうえで、急な円高の動きをけん制する考えを強調しました。
外国為替市場では日銀が先週、金融政策を現状維持としたことなどを受けて、円を買う動きが加速し、先月29日のニューヨーク市場では一時、およそ1年半ぶりに1ドル=106円台前半まで値上がりするなど、円高ドル安が急激に進んでいます。
これについて麻生副総理兼財務大臣は、ドイツで開かれるアジア開発銀行の年次総会への出席などを前に30日夜、羽田空港で記者団に対し、「2日間で5円の円高は明らかに一方的で偏った、いわゆる投機的な動きがみられるので、極めて憂慮している」と述べました。
そのうえで麻生副総理は、「為替市場の動向を引き続き緊張感をもって注視し、必要に応じて対応する」と述べ、急な円高の動きをけん制する考えを強調しました。
また、アメリカ財務省が先月29日、為替操作を監視する対象として日本をリストに載せたことについて、麻生副総理は「日本の対応を制限するものでは全くない」と述べ、日本の政策判断には影響しないという認識を示しました。