9:00
いじめられる夢を見た。5歳年下の同僚が僕のことを執拗にいじめるのだ。僕の大好きな村上春樹さんが作ってくれたご馳走をニヤニヤしながら捨てる、という許されざる蛮行に加え、なんかいろいろとされた。休日なのに寝覚めの悪い朝だった。普段なら午前中は、二度寝を楽しむのだが。
10:15
天気の良い土曜日の朝、夢で僕をいじめた年下の同僚に「ニコニコ超会議知らないの⁉︎」と言われたことを思い出した。知らないといけないのだろうか。知らないとヤバイことでも起きるのか? 昨日、奴から向けられたケーベツの眼差しと嫌な夢のコンボが僕を幕張メッセに向かわせた。
電車の中、動物公園に出かけるファミリーをニコニコ見ながら、独身サラリーマンの僕は知りもしないニコニコ超会議なんていう得体の知れないイベントに出かける。本当は、6月に行われる富士ヒルクライムのトレーニングをしないと地獄を見るのだが。底辺ブロガーの僕は、ネタのためだ! と言い聞かせ、現実逃避をしているのかもしれない。富士ヒルクライムというのは、富士スバルラインの1合目から5合目までの25kmを2時間半かけてえんえんとロードバイクで登るイベントだ。知らない人によく言われる。
「ホーサクって、ドMだね〜」と。
そういう人には富士ヒルクライムが日本一人気なロードバイクイベントで、確かに死ぬほどきついが、登りきったあとの達成感はプライスレスだということを熱く語って聞かせるのだが、皆、一様に「はいはい、ドM乙」といった目で見られるので、なかば諦めている。
話がそれた。とにかくニコニコ超会議に行くのは、富士ヒルクライムのきついトレーニングをしたくないということを、ブログネタの為と言い聞かせて、自己正当化をしているだけなのかもしれない。トレーニングなしのぶっつけ本番の富士ヒルクライムは地獄を見る、きっと。
ちなみに人混みが大キライなので空いていてほしい。どれくらいキライかと言うと恋人にクリスマスにディズニーシーに行きたい! と言われても「絶対ムリ!」と断言できるくらい人混みが苦手だ。1つのアトラクションに3時間も並べる方々を僕は心から尊敬してしまう。
11:00
会場到着。入場券売り場で2000円と聞き、驚く。「たっか! え? お金かかるの?」3秒ほど悩んだ。映画より高いじゃん。でも仕方なくお金を払う。レヴェナント、観たかったなあ。
甘く見ていた。それから、入場に並ぶ行列を見てウンザリした。なんだこれ、ディズニーシー並じゃん。帰りたい…。でも、もうお金払ってしまったしなあ。はあああ〜。
それにしてもコスプレ? の人がたくさんいる。初めて見たよ。知らないキャラクターばっかりだけど、派手だなあ。なんだか急に日差しが強くなってきた。暑い、人混みに酔いそうだが、周りを観察して気を紛らわす。20代の人が一番多いかな。次に30代、僕と同じアラフォーは、たまーに見かける。お、50代もいるな。
外見はコスプレの人以外は普通だな。スーツケース持ってる人はコスプレの人だったんだね。並び始めて15分。はー、まだまだ先は見えないよ。仕事で幕張メッセのイベントに参加したことがあるから分かるのだが、会場内は身動き取れないくらい混んでるはずだ。帰りたい…。
11:45
手荷物検査を受けてやっと会場内へ。
あれ? なかに入ると、まあまあな人混みだ。これならガマンできるかなぁ。まず入口脇のゲーム実況を見たのだが、よく分からなかった。次にドラゴンクエストビルダーのコーナーで、キングスライムを30分で作る対決を見た。子どもが多いか。結果は、んーイマイチ似てない。
12:15
共産党、民進党、自民党、公明党のブースもあったり、訳が分からないし。でも、いろんなのがあって意外と楽しいかも? 民進党のスタッフになんで出店してるのが聞いてみた。
「なんの目的でブース出してるんですか?」
「政党に対するハードルを下げて親しんでもらいたいんですよ〜。特に向かいの自民党には負けられないっす!」というニコやかに熱いコメントをもらった。みんな無料の蕎麦を食べているけど、これで釣っているのかなあ。マスコミの記者が議員にインタビューしてたけど誰だか分からなかった。
12:20
トイレに並びながら、これを書いた後、面白いブースを見つけた。「Mobil 1アイスワールド」だ。昔、CMで見た氷点下で、凍ったバナナで釘が打てる体験!ができると言う。誓約書にサインして待つ。
12:40
20分後、スタッフから分厚い中綿のコートと、革の手袋を受け取り、マイナス40℃の扉をくぐる。中は、青い氷の世界をイメージした造り。並んだけど面白かった! 本当にバナナで釘が打てたよっ!マイナス40℃の世界ってすごい!
次にウルトラ競輪というブースで、レースをしたが、8人中4位。めちゃくちゃ体力、落ちている。富士ヒルクライムが怖いなあ。
13:18
「真空管ドールズ」のブースで休憩。なに、真空管ドールズって? 人気があるみたいでかなりの人が集まっている。
13:25
お腹空いてきた。会場内でもらったホールズを舐めながら真空管ドールズの何かを待つ。
13:30
テクノサウンドが流れて真空管を頭につけたコスプレ女子のランウェイが始まった。カメラが一斉に向けられる。これなに? ゲームかなんかのやつなんだろうか。ニコやかにポーズする真空管ドールズに、群がるカメラ小僧たち。なんかみんな楽しそうだなぁ。
スマホで調べたら、どうやら、真空管ドールズというのを育成して戦うスマホゲームらしい。
真空管ドールズのブースで、真空管ドールズとは? と調べる自分がシュールである。
飽きてきたのでコスプレブースでストーリートファイターの写真を撮ろうとして、並んでいたオタクに注意された。みんな、並んで撮影してるらしい。そこまでして撮りたいか?
13:50
ボナンザ将棋対戦、スプラトゥーン、小林幸子を見て写真を撮った。面白いものばかりだ。
14:00
「超演奏してみた」のブースで足が止まる。なかなか、いい演奏だ。次にノリノリのギター演奏が始まった。会場のみんなも、ノリノリだ。イエーイ!
次は初音ミク? の歌をベースにまた迫力のある白黒スーツのベーシストが出てきた。ベース以外は打ち込みなんだろうが、ドラムやベースの大音量が腹と頭に響いてくる。みんな、縦ノリでギタリストに見入っている。これはすごい! 演奏が終わると歓声が上がった。
次はドラマー。パフォーマンスもいいが、めちゃくちゃうまい! みんな歌いはじめたぞ。
4人がおわり司会者のインタビューで演奏者のことが少しわかった。4人とも、超演奏してみたっていうので動画をアップしてるんだね。
えぐざせいとさん。全米5位に入るギタリストとのことだ。ボディーヒットという独特な演奏が、心にしみた。
あれ? ニコニコ超会議、楽しんでる?おれ
なんか、文化祭的なノリかな。大人の文化祭。
14:30
ボーカロイドの歌をベースにした、演奏がはじまった。ボカロは詳しくないのだが、ここから1時間は記憶がほぼない。あじっこさんというボーカルが、元気で盛り上げ上手で僕もだんだんノリノリになってきた。ガンガンに鳴り響く音に体が勝手に動き出し、みんなと一緒に右手を振って、飛び跳ねる。
めちゃくちゃ楽しーーー!!!
やっぱり、音楽のチカラってすごい。5人ともそれぞれ個性的だし、バンドメンバーもすごい。彼らが主役らしいので、当然か。
15:30
鼓膜がやぶれたみたいになってる。音がくぐもって聞こえる。きーん、と耳鳴りが収まらない。
15:40
ポカリスエットを買ってしばし休憩。
15:45
さーて、そろそろペースダウンして、見てないブースによって帰ろうかなあと、思っていると、入場口のメインブースで、ガンガンテクノミュージックと、聞いたことのある電子的な声がする。初音ミクだ。多分ミクの曲をアレンジしたダンスミュージック。回る舞台にはKzさんという人がDJをしていた。
詳しくはないけど会場の一体感がハンパない!自然と大きな人混みに入る。とんでもなくたくさんの人が集まっている。光と音が入り混じり圧倒的なサウンドが内蔵まで響いてくる。
すげーーー! 言葉にならない高揚感。
現地に来たいって、コメントが巨大な画面を埋め尽くす。はい、ニコニコ超会議、なめてました! 来れて良かったです。多分、パソコンの画面で見ているのとは100倍ぐらいの差がある気がする。全く知らなかった僕もここまで楽しめるんだから。
初音ミクは、ある程度知識があってボカロプロデューサーと呼ばれる人が曲を作って、初音ミクが歌うのは知っている。今日はKzさんというボカロプロデューサーで、みんな緑色に光る棒を振ったり、飛び跳ねたりしてる。
僕も曲は分からないがらも、手を振ったり、ジャンプした。スモークを焚いたステージに、レイザー光線が何十にも重なり、近未来的な舞台を演出する。
最後の「Tell your world」はdocomoのCMに使われた曲なので僕もめちゃくちゃ楽しめた。
16:45
このブログを書きおわり、会場を後にする。
いやあ、来て良かった。本当に楽しい1日であった。超ニコニコ会議、すごかった。また来たくなるイベントでした。
出費
交通費 648円
チケット 2,000円
ホールズ 0円
ポカリスエット 200円
キャンプ漫画 637円
キャンプ雑誌 680円
合計 3,985円