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【産経抄】
陰湿な小細工ばかり仕掛ける「軽蔑すべき敵たち」 レッテルを貼っておとしめる、なりふり構わぬプロパガンダ 4月30日
「軽蔑すべき敵たちを持ってはならない」。ドイツの哲学者、ニーチェはこう戒めている。むしろ、自分の敵を誇りとすれば、敵の成功は己の成功でもあるのだと。滋味深く、反芻(はんすう)すべき言葉だが、実践するのはなかなか難しい。時として、あまりに低劣な相手から一方的に攻撃を受けることもある。
▼東京の地下鉄では最近、本物の広告を加工して中身をすり替えたステッカーなどが、複数枚見つかった。「読売や産経のように、あまりにも権力べったりになるなら“政党機関紙”でいい」。車内でこんな押しつけがましい政治的主張を読まされた通勤客は、朝から不快だろう。
▼同様の事例は昨年3月にもあった。このときはJR東日本の列車の窓に、安倍晋三首相の写真とともに「戦争ができる国へ」「頭が幼稚なこども総理」などと書かれたシールが貼られていた。頭が幼稚なのはどっちだろうか。
▼自分と異なる意見やものの見方が存在することや、相手にも一定の理があることを頭から認めず、レッテルを貼っておとしめる。自分の主義・主張を訴えるためには、法に触れても気にしない。そんなやり方が共感を呼ぶとは思えない。
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