トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

陽川、プロ1号 初お立ち台「最高でーす」

2016年4月30日 紙面から

5回裏無死一塁、中越えへ逆転2ランを放つ阪神・陽川=甲子園で(田中太一撮影)

写真

◇阪神2−1DeNA

 阪神は1点を追う5回、陽川がプロ初本塁打となる逆転2ランを中越えに放った。岩貞が要所を締めて6イニングを1失点(自責点0)で2勝目。DeNAは今季最多の借金10。今永が6イニング2/3で14三振を奪ったが、援護に恵まれず4敗目。

     ◇

 沈滞ムードが漂っていた甲子園に乾いた打球音が響いた。阪神の3年目、陽川がプロ初本塁打となる逆転1号2ラン。値千金の一振りは勝利に直結した。

 「すごく気持ちよかった。正直、鳥肌が立った」

 1点を追う5回。4回まで無安打の9三振と完全に抑えられていたDeNA・今永に対し、先頭の鳥谷が四球を選んだ。「チャンスを広げようと思った」陽川は、1ボール1ストライクから、ど真ん中の変化球を振り抜いた。「角度がよかったのでいったかな、とは思った」。打球はバックスクリーン左へ。パンチ力を示す弾道だった。

 金本監督が就任時から大砲候補と期待を寄せる逸材。その指揮官からは打席に入る前、助言をもらった。「『今永の直球を引っ張るのは難しい。だから、センター返しを心掛けていこう』と。それがいい結果につながったんだと思う。甘いところに来たけど、無理せず引っ張らなかった」

 28日の巨人戦は延長12回1死二塁で3球三振。サヨナラの絶好機でふがいない結果に終わっていたが、この試合は「6番・三塁」で今季3度目の先発。「チャンスをいただいたので、一打席一打席を大事にしてプレーしたい」。背中を押してくれた金本監督に、決勝弾で応えられたことが喜びを倍増させた。

 もともと物静かで、あまり感情を表に出さない性格。そんな陽川を、掛布2軍監督は今季からあえてゲームキャプテンにした。立場を与えられると、2軍ではプレー以外でも自然と自覚が芽生えていった。「僕より若い子が投げる時は、特にマウンドへ行って声を掛けるようにした。周りを見ないといけないので視野は広がった気がする」。メンタル面での成長も、1軍で活躍するきっかけとなった。

 プロ初のお立ち台。黄色いスタンドを見渡すと、感情を隠さずに「最高でーす!」と絶叫した。ゴールデンウイーク初日。大観衆から熱視線を浴びた陽川は、最高の笑顔を見せた。 (西岡誠)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ