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根強い「反トランプ」 抗議デモで30人逮捕

ロサンゼルス近郊コスタメサでは、「反トランプ」と支持者が衝突した=AP

 米大統領選に向けた共和党候補指名争いで首位を走る実業家ドナルド・トランプ氏(69)が28、29両日、西部カリフォルニア州で集会を開催した。6月7日に予備選を控える同州は全米最大の票田。世論調査でリードするトランプ氏だが、2日間で抗議デモに参加の計30人近くが逮捕された。排外的な発言を続けるトランプ氏への反発の強さも改めて浮き彫りになった。【コスタメサ(米カリフォルニア州)で長野宏美】

 28日に集会があったロサンゼルス近郊コスタメサ。支持者らは集会開始の半日前から列をなした。不法移民に殺害されたという被害者の遺族が壇上で主張した。「トランプがこの国を立て直してくれるはずだ」。応えるように、トランプ氏は「メキシコ国境に壁を建て、費用をメキシコに払わせる」と持論を述べ、喝采を浴びた。

 一方、会場の外には、トランプ氏に抗議する人たち数百人が集結。馬に乗った保安官をはさみ、会場内に入りきれなかった支持者らと向き合った。

 同州はヒスパニック系人口が全米最多。州人口の39%を占め、特にメキシコ系移民が多い。トランプ氏はメキシコ国境に壁を築くことや、イスラム教徒の一時入国禁止を唱え、反移民感情を抱える人の支持を受ける一方、反発も招いてきた。

 「反トランプ派」がメキシコ国旗を振って、「トランプをつぶせ」と叫び、星条旗を掲げる支持者らは「壁を築け」とこぶしを突き上げる。米国内に漂う「分断」の空気を象徴するような光景だ。

 「トランプほど真実を語る人はいない」と支持派の高校生、クイン・トンプソンさん(18)。「移民は法を守って入国すべきだ。汚い言葉でののしり、米国を分断しているのは反対派の方だ」と非難し、「USA、USA」と声を上げた。

 メキシコ系移民のアリシア・ゴンザレスさん(40)は「トランプが怒りと憎しみをあおっている。私たちはレイプ魔でも人殺しでもない」と反論した。

 集会後、一部が暴徒化し、パトカーの窓を破壊。この騒動で20人が逮捕された。

 トランプ氏は29日、サンフランシスコ近郊で党主催集会に参加。会場のホテル入り口には、抗議のプラカードを掲げた人が数百人集まった。トランプ氏は警備に囲まれてホテル裏口から入り、「最も容易に入れる入り口じゃなかったね。フェンスを通り抜け、国境を越えるようだったよ」と皮肉を込めた。

 指名獲得に必要な代議員数は1237人。トランプ氏はこれまで1002人を得ており、172人の代議員を抱えるカリフォルニア州での勝利は重要だ。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の世論調査の平均値では、トランプ氏は同州の支持率で2桁のリードをしている。

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