国内初繁殖成功 ヘサキリクガメ
- 神奈川新聞|
- 公開:2016/03/09 02:00 更新:2016/03/09 12:33
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同園によると、ヘサキリクガメはアフリカ・マダガスカル島北西部のバリー湾周辺に約100~400頭しか生息していない絶滅危惧種。違法飼育・販売されていた個体が種の保存法違反で摘発・保護され、同園で受け入れてきた。
桐生さんが繁殖に挑戦し始めたのは、雄雌のペアがそろった2011年4月。外温性動物のは虫類は自然環境の変化に左右されるため、マダガスカル島の気候や湿度、乾期・雨期を調べて飼育環境を調整、試行錯誤を繰り返してきた。
14年10月と15年3月に産卵が確認されたが無精卵でふ化せず、15年の10月、12月に産卵した計9個のうちの1個を今回、ふ化させることに成功した。残り8個の飼育も継続している。
今回の個体は先月28日にふ化。甲羅の長さ約4センチ、体重21グラムで成体の特長である首の下の喉甲板(こうこうばん)はまだ船のへさきのようには伸びていない。今月3日にはハコベの葉を1枚半食べるなどし、順調に成長している。
世界でも飼育下の繁殖例は少ないため、ふ卵器などは桐生さんの手作り。桐生さんは「ようやく繁殖までこぎ着けたが、次の目標は繁殖技術の確立。今後も動物園の役割でもある『種の保存』に取り組んでいく」と話している。
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