逮捕2日前、清原被告覚醒剤入手の生々しいやりとり法廷で明らかに…“売人”初公判
覚醒剤取締法違反罪で起訴され、保釈中の元プロ野球選手・清原和博被告(48)に群馬県太田市内で覚醒剤を譲り渡したとして、同じく覚醒剤取締法違反の罪に問われている無職・小林和之被告(45)の初公判が27日、東京地裁(室橋雅仁裁判官)で開かれた。法廷では清原被告の供述調書が証拠として読み上げられ、覚醒剤をやりとりした1月31日の生々しい取引の様子が明らかになった。清原被告の初公判は5月17日に開かれる。
清原被告が2月2日に逮捕された際に自宅マンションで発見された覚醒剤を、逮捕の2日前に譲り渡していた小林被告。初公判でどのような取引がなされていたかが、清原被告自身の言葉で明らかにされた。
小林被告は1月31日に太田市内のコンビニ駐車場、昨年9月1日に同市内のラブホテルで清原被告に覚醒剤を譲り渡した罪に問われている。小林被告は、罪状認否で「間違いありません」と起訴内容を認めた。裁判では清原被告の供述調書が採用されたが、その中にある両者のやりとりが検察官によって読み上げられた。
調書によると、清原被告は1月31日の夕方ごろに小林被告に電話をし「今、大丈夫ですか」と質問。小林被告が「大丈夫ですよ」と答えると「ありますか? 大丈夫ですか」と聞いた後に「じゃ、1つお願いします」と覚醒剤を“注文”したという。
その後、清原被告は覚醒剤を吸引の際に使用するパイプも求めた。小林被告が「使ったのならありますよ」と話すと、清原被告は「中古でもいいから欲しいんですが」と持ってくるように依頼したと供述したとしている。
清原被告は、取引後に自ら車を運転して帰京した。自宅に戻り、覚醒剤を部屋に置いて外出し、知人と酒を飲んだ後に覚醒剤を取りに戻って都内のホテルで注射器とパイプなどを用いて使用。2月2日に逮捕された。
「1つ」というのは、覚醒剤のパケ(小分けにした包み、約0・6グラム)と注射器2、3本を合わせたものとしたが、両者の会話の中には、一度も「薬」「覚醒剤」などといった言葉が出てこない。調書では、これについて清原被告が「何度も買っていたので、それで分かりました」と話しているとした。「隠語」で意思疎通が可能だったことからも、起訴された2回以外にも、小林被告から覚醒剤を入手していたことを示唆していた。
冒頭陳述では、小林被告は2014年8月ごろから清原被告の注文を受けていたことが判明した。小林被告は密売人から覚醒剤を「1つ4万円」で入手。その後、清原被告に1月に1つ、昨年9月には2つ譲り渡していたが、金額は入手時と同じだったという。経費のことなどを考えれば、小林被告は完全な“赤字”というが「(自分は)清原さんの信者なので、もうけようとは思わなかった」と供述した調書の内容も明らかにされた。覚醒剤を通し両者の強いつながりがあぶり出された。次回は、期日は未定だが被告人質問などが予定されている。