子どもって、小さな頃から、「公平さ」というものに凄く敏感なような気がしています。
「○○ちゃんがやっている楽しそうなこと」を、自分も出来れば、公平。自分は我慢させられたら、不公平。
「自分がやらされる、あまり楽しくないこと」を、○○ちゃんもやっていれば、公平。自分だけがやらされたら、不公平。
「○○ちゃんがうらやましい」「○○ちゃんがずるい」という感情、要するに不公平さを不満に思う感情って、子どもの成長の凄く早い段階から現れるんですよね。勿論、「公平」「不公平」っていう言葉を知っている訳じゃないんですが、その感じ方自体は、下手すると言葉を覚えていない段階から発現したりする。
これ、しんざき家は下の子が双子だったからより一層わかりやすかったと思うんですけど、長女がやっている楽しそうなことは、次女も絶対にやりたがりますし、出来ないととても不満になります。逆もまたしかり。「不公平であること」は、子どもの心に凄く不満を残しやすい、というのは、8年程育児をしてきてすごく実感できるところです。
一方、たとえイヤなことであっても、「○○ちゃんはちゃんとやってるよ?」というと、ある程度ちゃんとやるんですよね。しんざき家の場合、長男を「こどもリーダー」という立場に任じてあるんですが、例えば長男がお片づけをしていて、「ほら、長男くんお片づけしてるよ?一緒にやろう」というと、割と素直に片づけを始めたりします。
こうして考えてみると、いろんな倫理的な概念の中で、子どもが一番早く理解・体得できるものって「公平」「不公平」ではないでしょうか。
「公平であること」は良いこと、満足出来ること。「公平でないこと」は良くないこと、不満であること。
子どもの心に理不尽感を残しながら育ててしまうのはどう考えてもよろしくないことなので、いろんな場面で、「○○ちゃんだけずるい」と思われないで済むように、随分心を砕いてきた、つもりではあります。
勿論、「どうしようもない理由があって起きてしまっている不公平」はあります。
例えば、お兄ちゃんだけジェットコースターに乗れるのは、ジェットコースターに身長制限があるから。例えば、次女だけお薬を飲まないといけないのは、熱を下げないといけないから。例えば、長女が片づけをしないといけないのは、自分で出したものは自分で片づけないといけないから。
そういう時も、可能な限りその「どうしようもない理由」がちゃんとしたものであれば、その理由を説明することで、ある程度納得感をもってもらうことはできている、ような気がします(時にはぎゃん泣きして止まらないこともありますが…)
「納得できない不公平」というものは、子どもの心を傷つけます。子どもの心の傷は、ものによっては大人になってからもずっと残ります。
で、これ、子ども同士だけの話ではなくって、親に対しても同じだと思うんですよね。たとえ親であっても、むしろ親だからこそ、子どもに「納得できない不公平感」を感じさせてはいけないと思うんです。
例えば、子どもに「約束を守りなさい」といっておきながら、自分は子どもとの約束を守らなかったり、であるとか。
例えば、子どもに「話をちゃんと聞きなさい」といっておきながら、自分は子どもの話を聞いていなかったり、であるとか。
例えば、子どもに「お行儀よくしなさい」といっておきながら、自分はマナーがめちゃくちゃであったり、であるとか。
例えば、子どもに「ぶつかっちゃったらごめんなさいでしょ?」といっておきながら、自分が子どもにぶつかっても謝らなかったり、であるとか。
ささいなこともありますが、そういう類の「正当な理由がない不公平」って、多分子どもの心をすごく傷つけやすいものだと思うんですよね。
親と子ども、大人と幼児って、勿論いろんな点が非対称ですから、なんでもかんでも公平に、とは当然いきませんが、少なくとも「自分が逆の立場だったら納得出来るかな?」という点については気を付けておかないといけない。
一方、子どもは、きちんと聞いてあげていれば、「その不公平はおかしいんじゃない?」というのをちゃんと指摘してくれます。
パパ、言ってることとやってることが違うよ、と。ぼくにはこういったのに、自分はそうしてないの、おかしくない?と。
子どもに痛いところを突かれる、って結構ぐさっとくることではありますが。そういう時にちゃんと、子どもの指摘を正当なものと認められるかどうか、ということこそが、親の度量であるような気がしています。そういう時にちゃんと子どもの話を聞く耳があれば、子どもはいろんなことを話してくれ続ける、ような気がしています。少なくとも、今のところはそれで上手くいっています。
その辺、今までも気を付けてきたつもりですが、この先、子どもがもっと生意気になってからも、より一層気を付けていかないとなー、と。
まあ、子どもに「お片づけ!」と言っておきながら、自分の片づけが出来ていないことだけは非常に頻繁にありますが…。
「パパも今!本棚の片づけが出来ていないが!それはそれとして今リビングのおもちゃは片づけなくてはならない!」とびっくりマーク多めで言ったら片づけてくれたこともありました。勢い重要です。
今後とも、親として精進していきたいと思います。
今日書きたいことはそれくらい。