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【政治】

ママの熱意が国会動かす 子ども連れ傍聴、容易に

安全保障関連法案を審議した衆院特別委の傍聴席は大勢の人で埋まったが、子ども連れの姿はなかった=昨年7月、国会で

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 国会が、子ども同伴で傍聴しやすくなる−。衆院議院運営委員会理事会は二十八日、十歳未満は原則として本会議場の傍聴席に入れないとする運用を見直し、保護者らが同伴する小学生の傍聴を認めることを決めた。各委員会も本会議に準じた対応となる見通し。待機児童問題の改善を求める母親らの国会訪問が、傍聴の一部見直しにつながった。関係者もおおむね評価している。 (清水俊介)

 衆院傍聴規則は「児童は特に許可があった場合に限り、傍聴席に入ることができる」と規定。十歳未満を児童とみなしている。乳幼児を含む十歳未満の子どもを連れた保護者は、原則として子どもと一緒に傍聴ができなかった。

 待機児童問題で「保育園落ちた」の匿名ブログに共感した母親らが三月、保育制度の充実を求める署名を提出するため、国会を訪れた。この際、母親らは厚生労働委員会の傍聴を希望し、関係者を通じて手続きをしたが、衆院事務局から「子連れの傍聴は厳しい」と通告された。

 結局、子どもを仲間に託して傍聴したり、別室でインターネット中継を見たりした。この出来事を契機に子どもの傍聴の運用見直しが議運委で議論された。

 今回、小学生の傍聴は認められたが、未就学児を連れた傍聴はできないまま。議運委では、現行の託児サービスの手続きの改善を検討していく。三月の署名提出に参加した中川智美(さとみ)さんは「ママたちが動いたことの副産物として、古いルールが変わったのはいいこと。一歳児の親としては託児サービスの充実を期待したい」と話す。

 政府の一億総活躍国民会議委員の白河桃子(とうこ)さんは「問題提起をきっかけに、国会が敏感に反応したことは意義がある。対応は早かった」と評価した。

 

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