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【ソウルからヨボセヨ】
「あの産経新聞ですか!」…韓国の地方取材、不思議な“歓迎”
韓国の地方取材は楽しい。と書くと、田舎で羽を伸ばして遊んでいるように誤解されかねない。が、総選挙取材で地方を回った最近もやっぱりそう感じた。
選挙事務所ではまず選対幹部の目星を付け、「日本の新聞記者ですが」と話しかけることが多い。「えっ?」と相手が振り向くと、第1関門突破。東京からわざわざ取材に来たと勘違いしてくれるケースもある。その場合、対応がかなり良くなるのはもちろんだ。
いずれにせよ、雑談の中で(相手の意見を記事にしたい)(立候補者本人か別の幹部に会いたい)と思ったら次の行動に移る。
「申し遅れました。産経新聞の記者です-」。名刺を差し出した瞬間の相手の表情がおもしろい。ソウルであれば、漫画のように、さっと表情が変わる。急にしらじらしくなる。今までの話は記事にするなと威圧的になる。産経は大統領府と対立した言論機関だ。防衛本能が働くのだろう。
だが、地方だと事情が異なる。「あの産経新聞ですか!」。まずは驚き、そして興奮する。「産経来(きた)る」のニュースを他の職員に広めて回ったり、私を別室に招じ入れたり。実際には「あの悪名高い産経…」ぐらいにしか思っていなくても、“壁”を作られるより、よっぽど取材がしやすい。だから地方は楽しいのだ。(藤本欣也)
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