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 東日本大震災で被災した宮城県岩沼市で28日、プレハブ仮設住宅の閉所式があった。同市では里の杜(もり)地区に建てた384戸に最大約1千人が暮らしていたが、震災5年で全員が住まいを見つけて退去した。津波で被災し、数十戸以上の大規模仮設住宅が建った自治体では初の解消となる。

 この日、解体作業が早速始まった。元住民代表としてあいさつをした大村司さん(70)は「この仮設住宅には涙と笑顔、感謝や希望が詰まっています」。熊本地震にも触れ、「復旧・復興の道のりを伝えることが私たちにできる恩返し」と話した。同市では集団移転先の玉浦西地区のまちづくりが昨春完成し、引っ越しが進められてきた。

 津波の被災地では、計5戸を建てた岩手県洋野町でも昨年6月、仮設住宅が解消された。