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上記サイトを参照したデータについて所感を述べる。
突然死の死因
1989~1993年の東京都内の突然死 18,189件より
- 心・血管系疾患
- 脳血管疾患
- 呼吸器系疾患
心筋梗塞や大動脈解離など、血液を運搬する生理的機構が突然に破たんし、亡くなる方が半数以上を占めている。
発症または受傷直前の状況
1989~1993年の東京都内の突然死 18,189件より
- 就寝中
- 入浴中
- 休息・休憩中
寝ている間に亡くなられる方が3割以上。「寝ながら往生したいものだ」なんて冗談交じりに述べる方もいらっしゃるが、願わずとも突然死の統計的には多数が寝ている間に、ということがわかる。
入浴中は血管が拡張して血圧が昇降し、脈拍数の変動も大きい。結果的に循環器や脳血管へ何らかの負荷となり、発症するのかもしれない。
心臓突然死発生場所
心臓突然死の発生場所(昭和大学救急センター)
実に7割以上の方は自宅で亡くなられる。不謹慎な語弊を畏れずに言うと、悪いことではないのかなと考える。住み慣れた愛着のある自宅で、僕ならそう望む。
謝辞は生きているうちに精一杯
前田健さん死亡、死因は心不全 新宿の路上で心肺停止で搬送 まえけん | ニュース速報Japan
松浦亜弥のモノマネで有名な芸能人のマエケンさんが亡くなられたのは記憶に新しい。44歳という若さで急逝したことについては胸を痛める気持ちがある。しかしながら、明日は我が身であり、他人事ではないのかな、とも考える。
人生万事塞翁が馬、とは良く言ったもので、明日の命運は誰にもわからない神のみぞ知る部分。将来への展望は少なからずあるが、それでも明日の朝を迎えられるかどうかの保証はない。それくらいの気持ちで人生に臨んでも良いのかなと思う。
TVでは連日のように故人を偲ぶ特集を組んで放映している。キャスターも神妙な面持ちで、けなすような人は誰もいない。使者にムチ打たぬ美しい国民性の表れともいえるのかもしれないけど、こういう文化に少しの疑念がある。
「あの人はいい人だった」「感謝を忘れない」なんて有名人からお手紙が発せられ、美談を演出したナレーションが毎度おなじみのように流れるが、あれは生きているうちに少しでも本人に伝えてあげたら良かったんじゃないのかなぁ。天国で見てるのかもしれないけど、伝わったかどうかなんてわからない。
松浦亜弥さんから、マエケンさんの芸風を称える意向がメッセージとして放映されてたけど、まず思ったことは「これ、生きているうちに聞きたかっただろうな」ってこと。偲ぶ意味で、社会への対面として行っている部分は否めないのだろうけど、それが真意だとしたら現世で言ってあげてほしかった。
ふと思う。父や母にこれ見よがしに日頃から感謝のポーズをとろうとは思わないけど、それでも生きているうちに可能な限りの謝辞を、時には形で示したい、と。人間、いつどうなるかなんてわからないし。自分だって明日はどうなるかわからないから。
もうすぐ母の日。感謝の気持ちを形に表すには良い機会だ。感謝はしているけれど、なかなか改めて機会を設けるタイミングを失しがちな日常だからこそ、こういったイベントや誕生日には精一杯の謝辞を伝えたいな。