ぼりです!
普段僕は板前として働いているですが、初対面の人に自己紹介をした時にかなりの頻度で間違われる事があります。
それが「板前」と「寿司職人」の違い。
これについて「ん?どういう事?」って思った方はぜひ読んでみてください。逆に「こいつ、何を今更こんな当たり前な事をいってんだ!」って思う方はスルーしちゃって下さい!
それでは説明します!
板前と寿司職人の違い
まずはそもそもの「板前」と「寿司職人」の言葉の定義から
板前
板前(いたまえ)とは、日本料理店・料亭で料理をつくる人のこと。西洋料理でのコックに相当する。
寿司職人
寿司職人とは、和食の料理人の中でもお寿司に特化した調理の仕事を行うプロのことです。寿司屋は、寿司(特に握り寿司)を主として供する飲食店(サービス業)ではあるが、刺身を含め食材に生のものが多く鮮度が重視される点で、他の飲食店と決定的に異なる。寿司職人が、鮮度の良い材料を使用して調理をし、鮮度の良いうちに提供される。
この説明文を要約すると
- 板前=和食全般を調理する人間
- 寿司職人=和食の中の「寿司」という1つのジャンルだけに特化した人たち
といった認識ですね。
寿司職人さんも和食としての「寿司」を扱っているので、板前ではあるのですが完全に独立した世界です。
どのくらい違うの?
次は料理業界の中での板前と寿司職人の見方の違いをご説明します。まずは資格としてのお話。
「調理師」と6つのジャンルに分かれる「専門調理師」
調理師
「調理師免許」というのは誰もが聞いた事ありますよね?調理師免許を取得するには
- 厚生労働大臣の指定する調理師養成施設に1年以上通って卒業する。
- 多人数に調理した飲食物を提供する施設や飲食店で、厚生労働省の定める調理の実務経験を2年以上積んだ上で、都道府県知事が実施する調理師試験に合格する。
という2種類の方法があります。この国家資格を所持していないと「調理師」を名乗る事はできません。
専門調理師
調理師資格の上級資格として「専門調理師」という資格が存在します。この免許を取得していれば、調理師学校の講師になれたりするので調理師として生きて行くのであれば、この資格を持っているというのはかなりの強みになります。
前項目にて、ざっくりと調理師の資格について説明させて頂いたのですが、この「専門調理師」の受験の際に、和食の中にもしっかりとジャンル分けされています。
調理師免許を取得してから所定の実務経験(8年、調理師専門学校卒業者は6年)を経た後に受験資格が得られ、より専門的で高度な調理技術を修得した、上級調理師に与えられる称号です。
専門調理師になるためには、学科試験と各分野(日本、西洋、中国、麺、すし、給食用特殊料理)に区分された実技試験に合格することが必要です。
実技試験においては受験する項目を選択できるのですが、各国の料理で言うと日本、西洋、中国が挙げられています。でもその中でも別ジャンルとして寿司があげられていますよね?
「和食、中華、洋食、寿司」と呼ぶ程に飲食業界の中でも認識が違っている事がわかります。
「板前」はほとんど「寿司」を握った事がない
前置きが長くなりましたが、「板前」と呼ばれる人逹は基本的に「寿司」の世界とは完全に隔離されています。
たまにホテル等で和食も寿司も提供しているようなところも見かけますが、ちゃんと「寿司部門」と「和食調理」部門に別れているほどです。
また、仮に和食の板前が寿司を勉強したいと思い立ち、寿司屋さんに修業に行ったとすると、よっぽどの経歴と実力がない限り、「下っ端」からのスタートになります。
和食の世界から洋食の世界に飛び込むのと同じと言っても過言ではないほど世界観が違うものだと理解していただいて構いません。
まとめ
ちょっとは「板前」の世界観をおすそ分けできたでしょうか?
これから先、「板前」と出会う機会があって挨拶をする際は
「へぇ〜板前さんなんですね!和食ですか?お寿司ですか?」
なんて聞き方をしてみると、板前さんは「お?この人…わかってるな!」と先手を打てる事になるかもしれません。笑
以上、ぼりでした!