自分は、社長になりたいなんて気持ちはあまりないが、本屋でこの本の帯を見て思わず購入してしまった。
その帯にはこう書いてある
「絶対に必要なのは熱意である。熱意にかけては最高でなければならない。」
口がうまくて、知識があり、頭が切れる。だけど熱意が欠けている人はめったに成功しない。
その通りだと、思った。このような思いを持っている人が俺は好きだ。
松下幸之助と言えば、パナソニックの創業者で「経営の神様」とまで言われる男である。
この男の生きざま、考えを知りたいと思い、迷わず購入した。
今回はこの本の中で自分が特に気に入った部分を紹介する。
経営には”よりどころ”が必要である
困難な仕事をやっていくと、その過程で必ず右するか左するか悩むことがある。それは自分に確固たる”よりどころ”がないからです。
これは松下幸之助の言葉ではなく、彼をずっと支え続けた高橋荒太郎という名補佐役の方の言葉です。
これは経営以外のことでも言えると私は思っています。
確固たるよりどころがあればその基準に照らし合わせて判断することができます。
ですが、よりどころがない人、言い換えれば信念のない人はいつもブレブレです。
道は無限にある
うまくいくと満足してしまい、新しいことを求める熱意に欠けてしまうのが人間である。だからこそ、今が最善と満足せずに、まだまだほかに道がある。そう考えるならば、道は無限にある。
永遠であるものはない
企業に限らず、いっさいのものには寿命がある。今と同一の形態で永遠性を保つことはまずできない。そう考えておいたほうがいいのではないか。
これはフリーランスや副業をやられている方にとって非常に大切な言葉だと思う。
今はブログで収益を得て、生計を立てれているかもしれないが、いつまでもその収益が得られ続けるだろうか。Youtubeのように広告収入が減る可能性は大いにあり、ひょっとしたら利益が半分、またはそれ以下に落ちるかもしれない。
急に稼げなくなる可能性はどんなビジネスにだってある。
もしそうなったときのために、今が最善と満足せず、他の収入の道も作っておくべきだろう。
奇跡は起こる
小便が赤くなるほどの心配をしたことがあるか。それほどに熱心に社業に取り組んでいるか。その真剣さなくして、奇跡は起こらない。
これは松下幸之助が、まだ奉公しているときに、親方から「一人前になるには、小便が赤くなるくらいにならないかん、そうせな一人前の商人にはなれない」と言われたそうです。
赤の小便とまではいいませんが、それぐらいとにかく努力しろということ。
ちなみに松下幸之助は赤い小便は出たことはなかったそうです。
商売をする人の使命感
商売は聖なる仕事である。きわめて格調高い仕事である。そういう仕事をしているのだという、自覚と意志を持つこと。そして商売をさせてもらえることに対して感謝する。卑屈になる必要なども何もない。
商売の際には儲けるために理不尽な相手に頭を下げなければいけなかったり、プライドを捨てないといけなかったりで、卑屈になることがある。
だが、松下幸之助は、商売は聖なる仕事であり、それは格調高い仕事だと言っている。その理由はこうだ。
商人の仕事の基本原則は、とある所で余っているものを、足りていないところに動かしてバランスをとるという仕事。つまり必要とされているものを必要としているところに運ぶのが仕事であり、それは神様がやる仕事である。
これをはっきり理解しておけば、商売は次元の低いものだ卑屈になる必要はない。
自らの運命を知る
自分というものの特質を知る。天から与えられた「運命」を知る。虚心坦懐に、自分というものをじっと見つめてみなければ、それは分からない。
人間ってのは、ある程度、「この人はこういうことに適性がある」みたいな運命が天から与えられているわけで、それ以外のことをしても上手くいきにくいという考え方。
ではどうやって自分の運命を知るかというと、虚心坦懐に自分をじっと見ることで見えてくるという。でもそれは難しいことで、人によっては年老いてから気づくこともある。
悩みもまた結構なもの
悩み、嘆きたくなることもある。その悩みを悩みとせず、かわしていくことができるかどうか。悩み事があるたびに知恵を授かる、悩みもまた結構なものだということに気付くことができるかどうか。
悩みをこのように解釈するには、何時間または何日か悩む。これは仕方のないこと。
だけど最後には悩みに負けず、悩みを上手くかわし、悩むことで何かに気付き、知恵がひとつふたつ増えることなら、悩みは結構なものである。
知識と知恵は違う
知恵を磨こう。知恵を自ら会得し、高めていこう。惜しむことなく、お互いに知恵を出し合おう。
教えて教えられるものは知識。
教えて教えられないものが知恵。
知恵は自分で会得するしかない。自分でいろいろ体験することやお互いに知恵を出し合うことで高めていく。
知識がいくら増えても知恵が発達しなかったら、知識によって災いされるだろう。
坦々とした道を歩く
出来る限り危ない道を渡らないように、坦々とした道を歩んでいくことを考えておきたい。
松下幸之助はできる限り障害を避けてきた、その中でもどうしても避けられないと確信した時のみぶつかっていった。
企業家や創業者はリスクをとって障害に積極的にぶつかっていっていると思われがちだが、進んでぶつかっている人よりも、なるべく避けよう避けようとしている人の方が多いそうだ。
最後に一言
絶対に必要なのは熱意である。熱意に欠けては最高でなければならない。