エモーショナルライティング!!

まるで鍵盤をリズムカルに弾くかのようにキーボードを叩きライティングをおこなうボーン

ムツミ

な、なんだこれは・・・!!?

ヴェロニカ

エモーショナルライティング・・・!
ボーン、自身の中にあふれ出た感情を言葉として紡ぐつもりね・・・!

ムツミ

なんだ、このタイピング音のリズムは・・・!?
緩やかでいて、そして情熱的な・・・。

サツキ

な、なんだか、片桐さんのタイピング音が、まるで音楽のように聞こえてきます・・・!

ヴェロニカ

ふふふ。
そう聞こえるのはね、ボーンが今、ムツミさんが書いた文章を、自身の感情を込めてリライトしているからよ。

サツキ

感情・・・!?

ヴェロニカ

ええ。
人の心を動かすのは「論理」ではなく「感情」だから。

ムツミ

論理ではなく、感情・・・!?

バキッ!!

ボーン

!?

ムツミ

!?
な、なんだ今の音・・・!?

サツキ

あっ!!!

ボーン

・・・!

サツキ

ム、ムツミのPCのキーボードが・・・!!

ムツミ

壊れた・・・。

ヴェロニカ

エモーショナルライティングにおけるボーンのタイピングは、ピアノをpp(ピアニッシモ)で奏でるかのように優しい強さのはず・・・!

おそらくは、あのノートPCの筐体が薄すぎたのね・・・!

サツキ

え・・・。

ムツミ

お・・・俺のPCが・・・。
まだ11回もローンが残っているのに・・・。

ボーン

はぁぁぁぁぁああああああああ!!!

ヴェロニカ

!!?
ボーン、何をするつもり・・・!?
そのPCのライフはもう・・・!

ボーン

CPUはまだ死んでいない。

音声入力!

サツキ ムツミ

音声入力!!?

ヴェロニカ

なるほど!
その手があったわね!!

ボーン

『ペラペラペラ・・・今、国内の主な観光地には、海外から多くのお客様がお越しになることはご存じだと思います・・・ペラペラペラ』

ボーンがノートPCに向かって喋りながら入力している

ムツミ

お、おっさん、急に何か話し始めたぜ・・・!?

サツキ

どうされたのかしら・・・!?
も、もしかして、ノートPCを壊したショックでおかしく・・・。

ヴェロニカ

ふふふ。
ボーンが持っているノートPCの画面を見てみなさい。
今なら風が起きないから。

サツキ

・・・!

す、すごい・・・!!
片桐さんが話すのと同時に、文字がどんどん入力されていきます・・・!!

ムツミ

音声入力ってあんなに正確な文章が書けるのか!?

ヴェロニカ

シッ!
大きな声をあげると、あなたたちの声も入力されてしまうわよ。

ムツミ

あっ・・・。
りょ、了解。

ボーン

『ペラペラペラ・・・よかったら、ぜひ、みやび屋の「親孝行プラン」をチェックしてみてください。
親御さんへの親孝行のプレゼントとしていかがでしょうか?・・・ペラペラペラ』



ボーン

音声入力コンプリート。

ムツミ

お・・・終わったのか・・・!?

ヴェロニカ

・・・。
ボーン、見事ね。

ボーン

音声入力の場合は、変換の正確性を考え、どうしても平易な言葉を選ぶことにはなってしまうが、まあ、読める文章にはなっているだろう。

サツキ

・・・?

ヴェロニカ

ふたりとも、ボーンが書いた文章をあらためて見てみなさい。

ムツミ

お、おう。

サツキ ムツミ

!!?

サツキ

・・・す、すごい・・・!!
さっきの音声入力でこんな文章が入力されていたなんて・・・。

みやび屋のページ

テキスト版は下記を確認

「いつもとはちょっと違った旅にしたい」
「家族と一緒にゆっくりとした時間を過ごしたい」
「隠れ家のように素敵な温泉に出会いたい」
そんな方々に人気なのが、栃木の温泉です。
はじめまして。
私たちは須原にて「みやび屋」という旅館を営んでいる宮本サツキとムツミと申します。
両親の後を継ぎ、大好きな須原の温泉地を守り続けています。
栃木には須原だけでなく、鬼怒川や那須塩原、日光といった50を超える多くの温泉地があり、温泉旅館の数は約200に上ります。
そんな栃木の温泉地が今、多くのお客様からの注目を集めているそうです。
その理由は、東京から“ほどよい距離”にあるということ。
今、国内の主な観光地には、海外から多くのお客様がお越しになることはご存じだと思います。
ただ、海外から来られるお客様の中には、私たち日本人にとって驚くような行動をされる方がおられ、同じ旅館に泊まっているほかのお客様がイヤな思いをするケースがあるそうなのです。
とくに、温泉は“日本独自の文化”であるため、たとえば「お風呂の入り方」といったマナーを海外からのお客様が学ぶ機会が少なく、マナーを熟知したお客様とそうでないお客様との間で差が生まれていると聞きます。
それにより「せっかくの家族旅行でゆっくりとした時間を過ごしたかったのに、なんだか後味の悪い旅行になってしまった・・・」という国内のお客様の声が耳に届くようになりました。
私たちの旅館では、国内のお客様と海外のお客様、双方が気持ちよく時間を過ごせるように、日本のマナーを知っていただくようにしています。
さらに、栃木の温泉では、そういったお客様同士のトラブルは、実はあまり聞くことがありません。
なぜなら、栃木は東京から少し離れているほか、ほかの温泉地に比べると、海外からのお客様でも温泉初体験の方が少ないためです。
栃木に足をお運びいただくお客様は、すでに日本の主な温泉地を巡られた方が多く、マナーに大変詳しいので、トラブルは起きません。
温泉は“癒し(いやし)”を提供する場所です。
施設や食事の雰囲気はホームページから分かっても、どんなお客様が宿泊されているかは当日にならなければわかりません。
旅はどんなお客様と一緒に時を過ごすかが大切です。
そのため、今、栃木の温泉地は、心おきなく癒しを感じられる場所として、再び注目を浴びているとのことです。
そこでこのページでは、須原にて「みやび屋」という旅館を営む私たちが、独自の視点で選んだ栃木の温泉旅館をいくつかご紹介します。
栃木で温泉旅館をお探しの際の参考になれば幸いです。
(※このページは2016年4月に作成いたしました)
【オススメの温泉旅館】
まずは、栃木の温泉地に生まれ、栃木の温泉地で育った私たちがオススメしたい温泉旅館を5つご紹介します。
栃木での温泉旅行を検討される際には、ぜひチェックしていただけると幸いです。
最初にご紹介したいのは、塩原温泉にある温泉旅館「湯守田中屋」さんです。
田中屋さんには、日本三大渓流露天風呂のひとつとして有名な野天風呂があり、その野天風呂から眺める景色はまさに絶景です。
目の前に広がる大自然の風景を眺めつつ、そばを流れる渓流のせせらぎと森の音に耳を澄ませば、この上なくリラックスすることができるでしょう。
「大自然に囲まれた中で温泉に浸かってみたい」と考えている方の夢を叶えてくれる、栃木が誇る温泉のひとつです。
そして、その体験をさらに忘れられないものにしてくれるのが、野天風呂へ向かうまでに上り下りする320段の大階段です。
大階段を一歩また一歩と歩みを進める中で、視界に入ってくる美しい光景。
その階段の途中には休憩所もあり、温泉へ辿り着くまでにちょっとした冒険心を感じることができます。
そして辿り着いた野天風呂は四つに分かれ、野天風呂はすべて源泉かけ流し、うち三つは混浴でカップルにも人気です。
とくに「河原湯」は川まで手を伸ばせば触れる距離にあり、自然と一体になる気分を味わえます。
そして、ふたつ目にご紹介するのは、私たち姉弟が営む須原の温泉旅館「みやび屋」です。
自分たちの旅館の紹介で大変恐縮なのですが、みやび屋では、今、あることに力を入れており、ぜひそれを知っていただきたいと思い、ご紹介させていただきます。
みやび屋は山々に囲まれた静かな温泉郷、須原にて、大正15年に創業しました。
みやび屋には「美人の湯」と呼ばれる、刺激が弱くお肌にも優しい野天風呂があり、女性のお客様だけでなく、お子様やお年寄りの方から愛されてきました。
そんなみやび屋では、今、「親孝行」をしたい方へ向けた親孝行プランに力を入れています。
多くの方がしたくてもなかなかできない親孝行。
仕事が忙しかったり、照れくさかったり、そこにはきっといろいろな理由があると思います。
私たちもそうでした。
私たちの両親はみやび屋を営み、私たちは幼少の頃からみやび屋の手伝いをしてきました。
私たち姉弟はこのみやび屋、そしてみやび屋を訪れるお客様が大好きで「将来、もしみやび屋を継ぐことがあったら、もっと素敵な旅館にしてゆけたらいいね」とよく話したものでした。
でも、そのタイミングは、ある日唐突に両親との別れとともに訪れました。
今、私たちは、みやび屋を愛した両親の思いを継いで、このみやび屋で働いています。
そんな私たちが伝えたいことは、人生で親孝行ができる時間は限られているということです。
「孝行のしたい時分に親はなし」ということわざがあります。
もし、あなたが今「親孝行をしたいな・・・」と思ったのなら、その気持ちを大切にしてください。
実は今、みやび屋では、今、50代以上の方々へ向けた料理やおもてなしに力を入れています。
素敵に年を重ねられ、ますます若くなられる50代以上の方々。
私たちの両親はちょうど50代でした。
私たち姉弟は、そんな50代以上のお客様に対して、自分たちができなかった親孝行をしたいと思っているのかもしれません。
よかったら、ぜひ、みやび屋の「親孝行プラン」をチェックしてみてください。
親御さんへの親孝行のプレゼントとしていかがでしょうか?
>みやび屋のプラン紹介ページへ

~以下略~

サツキ

・・・・。
この文章、スラスラ読めちゃいます・・・!
まるで“生きている”みたい・・・。

ヴェロニカ

生きている?

サツキ

は、はい、心の中にスッと入ってくるというか、血が通っているというか・・・。

ヴェロニカ

ふふふ、それはね、ボーンが“感情”を注ぎ込んだからよ。
どんなものも感情を宿せば、生命をもつわ。
それが、あなたがボーンの文章を“生きている”と表現した理由かもね。

サツキ

感情を・・・宿す・・・?

ヴェロニカ

いいわ。
ボーンがリライトした文章が、ムツミさんの書いた文章とどう違うのかを、カンタンに説明してあげるわね。

ボーンが先ほど書いた文章はね、大きく分けて以下の2つのルールを意識して書かれたものなの。

  1. 感情を入れる
  2. その感情を出す「話者」をハッキリさせる
サツキ ムツミ

「話者」をハッキリさせる・・・!?

ヴェロニカ

そう。
どんな文章も、可能なかぎり、話者、すなわち、“その文章を書いているのは誰か?”をハッキリさせたほうがいいわ。
なぜなら、その文章がいかに感動的であっても、どんな人が書いているかがわからないと、十二分に“共感”できないからなの。

サツキ ムツミ

共感・・・!?

ボーン

ああ。
文章で人を動かすためには、“共感”は不可欠だからな。

サツキ

そ、そういえば、“共感”という言葉、マーケティングに関する本などでよく見ます・・・。

ボーン

だろうな。
マーケティングにおいて、“共感”ほど大事な要素はないからな。
ただ、それらの本では、“共感”という言葉がどのように説明されていたかを憶えているか?

サツキ

・・・えっ・・・!?
ど、どのように・・・って・・・。

共感は“共感”という言葉の意味、そのものじゃないんですか・・・?
あえて言うのなら、“共に感じる”・・・みたいな・・・?

ボーン

・・・。

ボーン

どうやら、このみやび屋の集客がうまくいかない原因は、おまえたちがマーケティングの本質を見ようとしていないことにあるようだな。

サツキ ムツミ

!!?

ボーン

“共感”・・・。
今の時代、マーケティングに関するどんな書籍を見ても、“共感”という言葉が使われている。
しかし、この“共感”という言葉ほどわかりづらい言葉はない。

ヴェロニカの説明によって、ビビッと電流が走るサツキとムツミ

サツキ ムツミ

えっ・・・!!?

ボーン

どんな言葉も、その言葉に隠されている本質的な意味を理解しないと、使いものにならん。
とくに、“共感”のような短い言葉はな。

ムツミ

きょ、共感という言葉に一体どんな意味が隠されているっていうんだよ・・・!?

ボーン

いいだろう、教えてやろう。
共感とはな・・・。

ボーン

相手の感情に「同意」することを指す。

サツキ

相手の感情に・・・。

ムツミ

同意・・・!?

ヴェロニカ

そう。
共感とは、相手が伝えようとしている感情に“同意”することを指すの。
誰かが何かの文章を読んだ際、「この文章を書いた人の気持ちがわかるわ」という同意がなければ、共感につながったとはいえない。

ちなみに、同意という言葉は、本来“意見・求めなどに対して賛成・承諾すること”を指すけれど、ボーンは共感の本質を解説する際に、あえて“同意”という言葉を使っているの。

ボーン

・・・そして、当然のことながら、感情を紡ぐのは我々人間だ。
つまり、誰が書いたか分からないような人間味のない文章では、共感することが難しくなる。

サツキ

なるほどです・・・!
だから片桐さんは、話者がどんな人間か分かるような描写を文章に付け足したんですね・・・!

●先ほどの文章で「話者に関する描写」が加えられた箇所

はじめまして。
私たちは須原にて「みやび屋」という旅館を営んでいる宮本サツキとムツミと申します。
両親の後を継ぎ、大好きな須原の温泉地を守り続けています。

~(以下略)~

私たちの両親はみやび屋を営み、私たちは幼少の頃からみやび屋の手伝いをしてきました。
私たち姉弟はこのみやび屋、そしてみやび屋を訪れるお客様が大好きで「将来、もしみやび屋を継ぐことがあったら、もっと素敵な旅館にしてゆけたらいいね」とよく話したものでした。
でも、そのタイミングは、ある日唐突に両親との別れとともに訪れました。
今、私たちは、みやび屋を愛した両親の思いを継いで、このみやび屋で働いています。

ボーン

この話者の描写を入れることにより、感情的な表現が活きてくる。

ムツミ

感情的な表現・・・!?

ヴェロニカ

「」(カギ括弧)で囲まれた場所を見てみなさい。

この「」内の箇所は、心の叫びのように見えるでしょ?
ボーンは「」を使うことで、感情的な表現とそれ以外とを視覚的に分けていたの。

●先ほどの文章で感情的な描写が加えられた箇所

「いつもとはちょっと違った旅にしたい」
「家族と一緒にゆっくりとした時間を過ごしたい」
「隠れ家のように素敵な温泉に出会いたい」

~以下略~

「せっかくの家族旅行でゆっくりとした時間を過ごしたかったのに、なんだか後味の悪い旅行になってしまった・・・」

~以下略~

「大自然に囲まれた中で温泉に浸かってみたい」

~以下略~

「親孝行をしたいな・・・」

サツキ

な、なるほど・・・!
私がさっきの文章を読んだときに心にスッと入ってきたのは、こういった感情的な表現に共感していたからなんですね・・・!

ヴェロニカ

ふふふ。

ボーン

・・・そして、“共感”を起こすためには、読み手の“自分事化”も大切だ。

サツキ

自分事化・・・?

ヴェロニカ

そう。
ライティングにおいて欠かせないのは、読み手の自分事化。
今自分が読んでいる文章が、自分にとって関係のある文章だと思わせることで、文章を読み進めてもらいやすくなるの。

あ、そうそう。
たとえば、ふたりとも、「カクテルパーティー効果」って知ってるかしら?

サツキ ムツミ

カクテルパーティー効果・・・?

ヴェロニカ

ええ。
「カクテルパーティー効果」というのはね、お酒の席でたくさんの人が談笑していたとしても、自分の興味のある話、自分が聞き覚えのある話に関しては自然と会話が耳に入ってくる現象のことを指すの。

カクテルパーティー効果

ムツミ

た、たしかに、飲み会などの席で、全然知らない人が自分の知っている話題について話していると、その会話の内容が耳に入ってくることはあるな。

ヴェロニカ

このカクテルパーティー効果はライティングにおいても使えるノウハウなの。
もともと、カクテルパーティー効果というのは聴覚に関する心理効果なんだけど、視覚にも適用できるのよ。

たとえば、読み手が見慣れた言葉や、読み手の興味をそそる言葉を入れれば、読み手の“自分事”になり、文章を読んでもらえる可能性が高まるというわけね。

これを難しい言葉で、「選択的注意」と呼ぶんだけれど。

サツキ

読み手が見慣れた言葉・・・。
たしかに、自分が見慣れた言葉が出てくる文章は読みやすいです・・・!

ヴェロニカ

そうよね。
同じ感情を伝えるにしても、言葉の選び方によっては伝わり方は大きく変わってくるわ。
たとえば、次の例を見ると一目瞭然よね。

●同じ内容を別の表現で表した例

●A
「久々の休暇、家族旅行で家族のコミュニケーションの活性化を計画したが、思ったほどの成果はあげられなかった」

●B
「せっかくの家族旅行でゆっくりとした時間を過ごしたかったのに、なんだか後味の悪い旅行になってしまった・・・」

ムツミ

うわ・・・。
Aはありえねーって感じ。
Aの文章は感情に訴えかけてこないし、読まずにスルーしちまいそう・・・。

サツキ

私も・・・。

ヴェロニカ

まあ、さっきの例はあくまでも極端な例だけどね。
読み手が見慣れた言葉を使うことがいかに重要かが伝わればうれしいわ。

ボーン

ただし、どれだけ見慣れた言葉を使ったとしても、文章をパッと見た際に、それらの言葉がすぐに目に付く必要がある。
カクテルパーティー効果とはいえ、あまりにも大音量の会場では相手の話が聞き取れないように、言葉が混雑した場所では言葉を見つけられない可能性があるからな。

だから、文章は見た目も大事にしろ。

ムツミ

見た目・・・!?

ボーン

ああ。
たとえば、「改行」や「行間」には細心の注意を払え。

ムツミ

「改行」と「行間」・・・!?

ヴェロニカ

続けて実例を見せてみるわね。
このふたつの文章のうち、どちらの文章がパッと見て読みやすいかしら?

●A
そして、ふたつ目にご紹介するのは、私たち姉弟が営む須原の温泉旅館「みやび屋」です。自分たちの旅館の紹介で大変恐縮なのですが、みやび屋では、今、あることに力を入れており、ぜひそれを知っていただきたいと思い、ご紹介させていただきます。みやび屋は山々に囲まれた静かな温泉郷、須原にて、大正15年に創業しました。みやび屋には「美人の湯」と呼ばれる、刺激が弱くお肌にも優しい野天風呂があり、女性のお客様だけでなく、お子様やお年寄りの方から愛されてきました。そんなみやび屋では、今、「親孝行」をしたい方へ向けた親孝行プランに力を入れています。

●B
そして、ふたつ目にご紹介するのは、私たち姉弟が営む須原の温泉旅館「みやび屋」です。
自分たちの旅館の紹介で大変恐縮なのですが、みやび屋では、今、あることに力を入れており、ぜひそれを知っていただきたいと思い、ご紹介させていただきます。

みやび屋は山々に囲まれた静かな温泉郷、須原にて、大正15年に創業しました。

みやび屋には「美人の湯」と呼ばれる、刺激が弱くお肌にも優しい野天風呂があり、女性のお客様だけでなく、お子様やお年寄りの方から愛されてきました。

そんなみやび屋では、今、「親孝行」をしたい方へ向けた親孝行プランに力を入れています。

ムツミ

B・・・だな・・・。

ヴェロニカ

Bのほうの文章はね、句点(。)のあとに必ず改行が入っているの。
そうすることで、文章のブロックが分かりやすくなり、自分に関係している言葉を見つけやすくなるのよ。

サツキ

えっ・・・?
句点(。)のあとに必ず改行を入れると、縦に長くなりすぎないでしょうか・・・?

ヴェロニカ

大丈夫よ。

実は今、スマホを使って文章を読む人が増えているの。
彼らはね、縦に長いWebページを見るのに慣れているわ。
たとえば、3ちゃんねるまとめサイトとか、縦読みのWebマンガとか、すごく縦に長いの。

ムツミ

な、なるほど・・・!
言われてみたら、そうだな・・・。

ヴェロニカ

また、今の人たちは画面をどんどんスクロールして読み飛ばしていくクセがある。
そう考えた際、文章ブロックの始まりができるだけ左端に揃っているほうが、各文章の内容を瞬時に把握できて、理解しやすいのよ。

ムツミ

へえええ・・・。
(・・・ってよく考えたら、オレ、まさに文章を読み飛ばしがちなタイプだった・・・)

ヴェロニカ

改行や行間に気を配ると、縦に長くなってしまう分、記事を読むのに時間がかかることを懸念するWeb担当者は多いわ。
でもね、人はその文章が読みやすければ、10分かかっても読んでしまうものなのよ。

ムツミ

じゅ、10分!?

ヴェロニカ

これは私たちがコンサルをしている、あるサイトのアクセス解析のキャプチャ画像だけど、記事によっては10分以上読まれているの。

滞在時間10分

ムツミ

じゅ、10分も読まれているのか・・・。
まるでサザエさん1話分みたいだな・・・。

ヴェロニカ

ふふふ。
実際はサザエさん1話分より長いけどね。

まあ、長く読んでもらえればいいってわけじゃないけれど、長く読んでもらえれば、その分、読み手との接触時間が増えるので、自分たちが伝えたいことが相手により伝わりやすいともいえるわね。

ムツミ

た、たしかに・・・。

ヴェロニカ

そんな感じで、文章を長く読んでもらうためには、いくつかのポイントを押さえる必要があるわ。
たとえば、さっきボーンが書いた文章は、長くなっても読み進めてもらえるよう、以下のことにも気をつけて書かれているの。

ボーンはね、先ほどの文章を読みやすくするために、以下のことも配慮していたの。

  1. 冒頭文で共感を誘発する
  2. 指示代名詞をあえて減らす
  3. 漢字とひらがなの含有率を調整
  4. 行間・改行に気を配る
ムツミ

「冒頭文で共感を誘発する」・・・?

ヴェロニカ

ボーンの書いた文章をもう一度読んでみて。
文章の最初に読み手の自分事になる感情表現が入っているでしょ?

●先ほどの文章の冒頭文

「いつもとはちょっと違った旅にしたい」
「家族と一緒にゆっくりとした時間を過ごしたい」
「隠れ家のように素敵な温泉に出会いたい」

そんな方々に人気なのが、栃木の温泉です。

ムツミ

ほんとだ!!

ヴェロニカ

まあ、必ずしも最初じゃなくていいんだけど、読み手の自分事になる感情表現を前半で見せることで、多くの人に「このページには自分の要望を満たしてくれる情報が書かれているかも」と思わせることができるの。

サツキ

なるほど・・・。

ムツミ

この「指示代名詞をあえて減らす」ってのは何なんだ・・・?

ヴェロニカ

いわゆる、「この~」とか「その~」とか「当~」という表現を減らすということよ。
今回の文章では、みやび屋の名前をあえて指示代名詞にしないことで、読み手が記事の途中から読んでも、主語が何かが分かりやすくしているわ。
また、何度も名前を出すことで、単純接触効果(ザイアンスの法則)により、相手の記憶にみやび屋という名前が残りやすくしている。

●先ほどの文章における、みやび屋の解説(指示代名詞少なめ)

そして、ふたつ目にご紹介するのは、私たち姉弟が営む須原の温泉旅館「みやび屋」です。
自分たちの旅館の紹介で大変恐縮なのですが、みやび屋では、今、あることに力を入れており、ぜひそれを知っていただきたいと思い、ご紹介させていただきます。
みやび屋は山々に囲まれた静かな温泉郷、須原にて、大正15年に創業しました。
みやび屋には「美人の湯」と呼ばれる、刺激が弱くお肌にも優しい野天風呂があり、女性のお客様だけでなく、お子様やお年寄りの方から愛されてきました。
そんなみやび屋では、今、「親孝行」をしたい方へ向けた親孝行プランに力を入れています。
多くの方がしたくてもなかなかできない親孝行。
仕事が忙しかったり、照れくさかったり、そこにはきっといろいろな理由があると思います。
私たちもそうでした。
私たちの両親はみやび屋を営み、私たちは幼少の頃からみやび屋の手伝いをしてきました。
私たち姉弟はこのみやび屋、そしてみやび屋を訪れるお客様が大好きで「将来、もしみやび屋を継ぐことがあったら、もっと素敵な旅館にしてゆけたらいいね」とよく話したものでした。
でも、そのタイミングは、ある日唐突に両親との別れとともに訪れました。
今、私たちは、みやび屋を愛した両親の思いを継いで、このみやび屋で働いています。
そんな私たちが伝えたいことは、人生で親孝行ができる時間は限られているということです。
「孝行のしたい時分に親はなし」ということわざがあります。
もし、あなたが今「親孝行をしたいな・・・」と思ったのなら、その気持ちを大切にしてください。
実は今、みやび屋では、今、50代以上の方々へ向けた料理やおもてなしに力を入れています。
素敵に年を重ねられ、ますます若くなられる50代以上の方々。
私たちの両親はちょうど50代でした。
私たち姉弟は、そんな50代以上のお客様に対して、自分たちができなかった親孝行をしたいと思っているのかもしれません。
よかったら、ぜひ、みやび屋の「親孝行プラン」をチェックしてみてください。
親御さんへの親孝行のプレゼントとしていかがでしょうか?
ムツミ

へええ・・・。

サツキ

も、もうひとつの「漢字とひらがなの含有率を調整」というのはどういうことでしょう・・・?

ヴェロニカ

それはね、文章をパッと見たときに、漢字やひらがなのバランスがちょうどいいと思わせることなの。

サツキ ムツミ

漢字とひらがなのバランスがちょうどいい・・・!?

ヴェロニカ

ええ、私たちは漢字だらけの文章だと、その文章を難しく感じ、ひらがなだらけの文章だと逆に平易に感じて読む気が失せるものなの。
だから、難しくもなく、ある程度平易に見えるような、ちょうどいいバランスで言葉を紡いでいく必要があるのね。

サツキ

そんな細かい配慮まで・・・!

ヴェロニカ

ちなみに、漢字をひらがなにすることを、専門用語で“ひらく”というの。
憶えておいてね。

サツキ

“ひらく”・・・。

●先ほどの文章で漢字をひらがなに“ひらいた”箇所

分かりません → わかりません
一つ、二つ → ひとつ、ふたつ
頂く → いただく
諺 → ことわざ

ムツミ

な、なんだかすげえ・・・。
オレ、今までこんなに深くライティングに向き合ったことがなかった・・・。

ヴェロニカ

ふふふ。
ボーンの文章は実際には、文章の論理展開やリズムなども配慮されているんだけれど、それはまた今度教えてもらいなさい。

ボーン

ライティングをする際には、まずは読み手の脳にできるだけ“ラク”をさせることを考えろ。

サツキ

相手の脳に・・・

ムツミ

ラクをさせる・・・!?

ボーン

はぁああああああああ・・・!!!

ムツミ

えっ!!?
ま、またなんか技をするのかよっ!!!

ファスト&スロー!!

ムツミ

・・・。
って本を出しただけじゃねーか!!

ヴェロニカ

2002年のノーベル経済学賞を受賞した、行動経済学者のダニエル・カーネマン氏の著書「ファスト&スロー」ね!

説明しよう!

ダニエル・カーネマン氏の書いた「ファスト&スロー」とは、人間がとる行動は、直観的かつ感情的な要素によるものが強いということを説いたベストセラー書籍である。

ボーン

この本をお前にやろう。
ノートPCを破壊したお詫びだ。

この本を読めば、相手の脳にラクをさせることのメリットを知ることができるだろう。

ムツミ

ああああああ!!!
そ、そうだった!!!


おっさん、俺のノートPCを破壊しちまったんだ・・・。

ボーン

・・・。

サツキ

ボ、ボーンさんも悪気があったわけではないし、そもそも、ボーンさんのコンサルティング料って、ノートPCが何台あっても払えないくらいの金額なのよ。
それをサービスしてくださったんだから、ノートPCの一台くらい、だ、大丈夫じゃない?

ムツミ

・・・。

サツキ

うちのホームページを更新してもらうときは、私のPCを使ってもらえばいいから。
ほら、ムツミ。

ムツミ

・・・。

ボーン

・・・。
キーボードの破壊は不可抗力だった。
すまん。

ボーン

・・・これも渡しておこう。

ボーンはそう言うと、脱いでいたジャケットの脇から、何かを取り出した。

ムツミ

これは・・・!?

ボーン

外付けキーボードだ。
お前のPCは、CPUなどは壊れていない。
USBでこのキーボードをつなげれば、普段の仕事もそれほど支障なくできるだろう。

サツキ

(あのジャケットの脇にあんなキーボードが入っていたなんて・・・)

真っ黒で重そうな、黒い板のようなキーボード

ムツミ

・・・な、なんだかイカツイキーボードだな・・・。

ムツミ

・・・!!?

ムツミ

むぐぎぎぎぎぎ!!
お、重えええ!!!


なんだ、このキーボード・・・!?

金でできた外付けキーボードを踏ん張りながら両手で持つムツミ

ボーン

言い忘れていた。
そのキーボードは10kgある。

ムツミ

10、10kg・・・!!?
な、なんでできているんだ、このキーボード・・・?

ボーン

金だ。
その黒いフォルムの下は金でできている。

ムツミ

き、金・・・!!?

ボーン

10kgはそう重くはないと思っていたが、使えそうにないのなら、返してもらってもいいぞ。

ヴェロニカ

ボーン、10kgといっても、普通の子の筋力では重いのかもしれないわよ・・・。

ムツミ

(くっ・・・、ここでなめられちゃあ、男が廃る・・・!
ヴェロニカさんに男を見せてやるぜっ・・・!!)

ムツミ

ヴェ、ヴェロニカさん!
このキーボード、ぜ、全然重くないですよ!
こ、こんなの普段から重いギターを持ち歩いていたオレからすると、朝飯前です。

う、う~ん、この重さ気に入ったぜ!
ありがとよ!

じゃ、じゃあ、しばらくはこのキーボード使っておくかな・・・。



その頃

タオパイのビル

遠藤

なにーっ!!!!?
ボーンがみやび屋のWeb集客のコンサルティングをしているだと・・・!?

井上

は、はいっ・・・!!
まさかボーンのやつがかかわっていたとは、私も驚きました・・・。

遠藤

く、くそ・・・ボーン・片桐・・・!!
一度ならぬ、二度、三度と我々の前に立ちふさがりおって・・・!!

フット・イン・ザ・ドアー

遠藤

・・・く・・・くくくく・・・。

井上

遠藤様・・・!?
(・・・わ、笑ってらっしゃる・・・?)

遠藤

井上よ・・・。
こんなに楽しいことはないぞ。
あの憎きボーンに復讐するチャンスが巡ってきたのだからな。

井上

遠藤様・・・!

遠藤

フフフ・・・。
ボーン・片桐よ。

今度はうまくいかんぞ・・・!
旅行業界はすでに私の新会社「バイソンマーケティング」社が制作したコンテンツでほぼ埋め尽くされているのだからな・・・!

バイソンマーケティングのコンテンツを見て、私の真の恐ろしさを肌で感じるがよい・・・!!

遠藤

ふははははは!!!
はーっはっはっはっは!!!



次の朝

朝

ムツミ

それにしても、一夜明けて読み返してみても、文章が大きく変わったよな・・・。
あのオッサン、結局、ページの文章を丸ごと変えちまったもんな・・・。

Before / After

ムツミ

あの一瞬でここまでリライトするって、どんな脳みそもってるんだろ・・・。

サツキ

ム、ムツミ!!

ムツミ

・・・?
アネキ、どうしたんだ?

サツキ

予約が・・・予約が・・・。

ムツミ

よ、予約がどうしたって言うんだ?

サツキ

予約が5件も入ってるの!!

ムツミ

予約が5件・・・!!?

ムツミはそう言うと、慌ててノートPCを開き、みやび屋のサイトのGoogle Analyticsを確認し始めた。

ムツミ

ほ、ほんとだ・・・。
何が起きたんだ・・・!?

ムツミ

・・・!?
この流入元・・・。

昨日片桐のオッサンがリライトした記事経由じゃねーか・・・!

あのオッサン・・・ただ者じゃねー・・・!

サツキ

グスッ・・・・、グスッ・・・。

ムツミ

あ、アネキ!!?
泣いてるのかよ・・・!?

サツキ

だって・・・。
こんなにたくさんの人に予約していただけたのは久々なんだもの・・・。

ムツミ

アネキ・・・。

喜びから涙を流すサツキ

ガラララッ!

三桜館の旦那(シルエット)

サツキちゃん、いるかい?

ムツミ

??
アネキ、誰か来たようだぜ。

サツキ

サツキ

あっ!
三桜館の旦那さん!

ムツミ

三桜館・・・?

サツキ

あっ、うちの近所に昔からあるホテルさんよ。
以前から仲良くさせていただいているの。

三桜館の旦那

おお、サツキちゃん。
いてくれてよかった。

サツキ

三桜館の旦那さん、今日はどうされたんですか?

三桜館の旦那

サツキちゃん・・・。
実はなあ・・・。
うちの旅館、閉じることにしたんだ。

サツキ

えっ・・・!?

三桜館の旦那

最近、このあたりはめっきり観光客が減ったじゃないか。
しかも、近くにあんなに立派なレジャーホテルができてしまっとあっちゃ、うちみたいな古いホテルは商売上がったりだよ。

ムツミ

そのレジャーホテルって、もしかして・・・。

サツキ

タパホテル!?

ニヤリと笑うヤン・タオと悔しそうな三桜館の旦那

三桜館の旦那

ああ、まさにそのタパホテルさ・・・。

三桜館の旦那

この須原の地は東京から離れていて、東京オリンピックの恩恵をあまり受けられない。
須原全体の観光客が減っているっていうのに、あんな立派なレジャーホテルができてしまっては、太刀打ちできないよ。

うち以外のホテルも危なそうだし、サツキちゃんところの旅館も大変かもしれないけれど、あんなホテルなんかに負けないでおくれよ。

サツキ

旦那さん・・・。



ムツミ

くそーっ!!
あのヤン・タオとかいうやつ、この須原をどうするつもりだってんだ!?
本当にわけわかんねえ・・・!!

ヴェロニカ

もしかすると、ヤン氏が須原に自社のホテルを立ち上げた理由は・・・。

サツキ

理由・・・!?

ボーン

どうやら、みやび屋の売り上げ改善のためには、おまえたちのサイトのチューニングだけでは足りないようだな。

ヴェロニカ

須原の地を盛りあげる必要があるってことね。

ムツミ

そ、そんなのどうすりゃいいんだ!?

ボーン

世に広く伝えればいい。
この須原の魅力を。

サツキ ムツミ

世に広く伝える・・・!?

ボーン

作るぞ。
「オウンドメディア」を!

サツキ ムツミ

オウンドメディア!!?

クールに力強く宣言するボーンと、それを不思議そうに見るサツキとムツミ。その背景には不敵に笑う、ヤンタオと遠藤&井上の姿

次回予告

ボーンのリライトによって、みやび屋の集客は改善したかに見えた。
しかし、須原の地では、老舗ホテルの倒産が起き始めていた・・・!

果たして、須原を救う手立てはあるのか?
ボーンが語る「オウンドメディア」とは一体・・・!?

そして、ヤン・タオ率いるタオ・パイ社は、須原で一体何をしようとしているのか・・・!?

次回、沈黙のWebライティング第4話。
「愛という名のオウンドメディア」

今夜も俺のタイピングが加速するッ・・・!!