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くまモン活動休止 ネットに応援や心配の声続々

地震発生以降、活動を控えているくまモン

 熊本地震後、活動を休止している熊本県のPRキャラクター「くまモン」に、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じ心配や励ましの声が続々と寄せられている。チャリティーイベントや被災者の応援にイラストを活用する動きも広がっている。「くまモンは『無事です。安心してください』と言っています」と県の担当者。いずれ避難所の慰問などで活動を再開し、エールに応える考えだ。

 「見かけないのが寂しいです」「みんな心配してるよ」

 地震発生の14日以降、沈黙が続くくまモンの公式フェイスブックやツイッターには、安否を気遣うメッセージが届いている。直接触れ合える熊本市中心部の交流スペース「くまモンスクエア」も閉鎖され、ようやく27日に再開されたが主(あるじ)は不在。それでも家族連れらが訪れ、備え付けのノートに応援メッセージを書き込んだ。

「くまモン頑張れ絵」のきっかけとなった森田さんのイラスト=森田さん提供

 インターネット上では、イラスト「くまモン頑張れ絵」を人気漫画家らが公開する運動が広がっている。きっかけを作ったのは、ギャグ漫画家で「丸出だめ夫」などで知られる森田拳次さん(76)=横浜市。テレビで熊本の状況を見て70年前、旧満州(中国東北部)から引き揚げ東京へ帰る際に見た広島の光景を思い出したという。

 原爆が投下されて1年が経過していたが、森田さんは「30〜40年間はペンペン草も生えない」と言われた焼け野原で必死に緑を探した。「熊本の風景を見て感じたのはあの時と同じ感傷だった」

 居ても立ってもいられず、松葉づえを突く満身創痍(そうい)のくまモンを描いて「クマモンがクマっている 助っ人に行くベア」と添えた。共に引き揚げ体験を持つ「あしたのジョー」などの作者、ちばてつやさん(77)も呼応。これまでに「ONE PIECE(ワンピース)」の尾田栄一郎さん=熊本県出身▽「進撃の巨人」の諫山創さん=大分県出身▽女優の能年玲奈さん−−らへと広がり、中国やタイなど海外からもイラストが寄せられている。

 森田さんは「自然相手に勝つ必要はない。ただ、負けないことが大事。大丈夫、こんなに多くの人が応援している」と、くまモンを通じて被災者にエールを送る。

 地震後、チャリティーイベントなどに限り県がイラストの使用を許諾不要の届け出制にしたところ、国内外から約2500件の届け出があった。支援の輪は広がり続けている。

 熊本県くまもとブランド推進課は今のくまモンの様子について「地震に見舞われた方々の無事と安全を祈っている、としかいえません」。被災者に配慮しながら活動再開時期を探っている状態という。元気なくまモン、そして元気な熊本の姿をもう一度見たいモン−−。【取違剛、中里顕】

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